快適技術の体感は、どのようなシチュエーションで
体感できるのか?
CTXシリーズに、ホンダは「快適技術の体感」をコンセプトに掲げています。長らくクルーザーアプローチと言えば、クラシックアメリカンスタイルのバイクがメインになっていましが、ここに来て、ホンダはクルーザーアプローチをアメリカンスタイルから未来を連想させる新しいデザインのバイクにシフトしてきています。CTXシリーズはNC700シリーズから派生したCTX700・CTX700Nと、水冷4ストロークDOHC縦置きV型4気筒1261CCエンジンを搭載したCTX1300が存在します。今回はCTX1300をお借りして、一週間フルに乗ってホンダが提唱する快適技術を体感してみたいと思います。
車両重量は338kgだが、走り出してしまうと重さを感じさせない
車両を取りにいき、エンジンがかかっていない状態で動かしてみると、とても重く感じました。それもそのはず、カタログスペックを見てみると、車両重量は338kg。シート高は740mmなので、足つきは悪くないはずなのですが、シートの幅が広いため、数値ほど足つきは良く感じません。その為、またがった状態で取りまわしをするには、そこそこ身長が高い人にとっては簡単に出来ると思いますが、身長が低い人にとっては、まずバイクを動かすのが大変です。
しかし、コーナーなどでハンドルを切ってみると、コーナーは驚くほどスムーズに曲がることが出来ます。車両はとても大きく、重い為に曲がるのが大変かな? というイメージがあったのですが、信じられないくらいにスムーズに曲がります。普段乗っている400ccのネイキッドバイクと比べても、遜色の無いコーナーリングのしやすさです。
都内での通勤も快適に乗ることが出来るのか?
一週間フルに通勤で使用してみました。比較的混雑する都内の道と東京湾を横断するゲートブリッジを含む道のりです。まず混雑する都内の道ですが、シート高が低く、足つきが悪くないのと、エンジンの出力が滑らかな為、ストップ&ゴーがあまり苦になりません。当然車体が大きい為、400ccクラスのバイクを運転するよりは気を使いますが、むしろ車体が大きいから細かい動きは出来ないと割り切ってしまえば、無理をすることはありませんし、むしろ安全に走行することが出来ます。また、前述したように、ハンドリングに全く癖がない為、多少狭い道などでも苦労がほとんどありません。これだけ大きいバイクですので、ハンドリングのしやすさは特筆すべき点です。更に車体の重さや前後のタイヤの大きさ、足回りのバランスのよさが生み出す直進安定性と座ったときのポジションは感動ものです。ゲートブリッジは常に横風が吹き、軽い原付2種で走ると、横風でふらつき怖い思いをしたりしますが、多少の横風はものともしません。
座ってハンドルを握った時のポジションはとても楽で、ハンドルは通常の22.2φよりも太いハンドルが装備されていますが、グリップ部分は絞られていて、通常の22.2φになっています。1インチの太いハンドルはハーレーや一部の国産車に採用されていますが、グリップが太いと手が小さい人にとっては握りづらいのですが、グリップの部分のみ細い設計は、ハンドルに剛性を持たせつつ楽に握ることが出来ます。
本来は長距離走行を想定したクルーザーモデルですが、都内の混雑した道を走行してもあまり苦痛はありません。無理をせずにゆったりと走る分には、むしろ軽量のバイクよりも快適に走ることが可能です。