室内と荷室の広さが魅力
前後席ともに少し高めのアイポイントで、周囲を見下ろすほど高いわけではない。また、室内の広さは、「身長175cmぐらいの人が4人快適に移動できるギリギリの広さ」という印象で、プジョー208よりは余裕を感じさせるが、上級グレードの「シエロ」に備わる「電動サンシェード付パノラミックガラスルーフ」を開け放てば、より開放感が高まる。気になるのが運転席の足元の狭さで、左足はかなり窮屈で不自然な姿勢になってしまう。右ハンドル化の弊害は明らかだ。
乗降時も頭上まわりは全高が上がっただけ余裕を感じさせるが、クロスオーバー化の恩恵を受けているのがラゲッジ。208よりもリヤを150mmストレッチさせたことでトノカバー下の容量は26%拡大したという。
全高は80mm高くなっているものの、テールゲートの開口部は地上からの高さも抑えられているからベビーカーなどの積載も楽だし、子どもが2人いる4人家族で数泊の旅行に出かけても荷物を十分に収納してくれるだろう。
ただし、ナンバープレートの上にあるテールゲートの開口部のロックは力を入れにくい印象で、非力な女性や子どもだと、とくに開ける際は少し苦労するかもしれない。
立体駐車場に入るプジョー2008
ルノー・キャプチャーは全高が1565mm、ホンダ・ヴェゼルが1605mmで、1550mmの高さ制限のある立体駐車場に入庫できないが、プジョー2008は日本向けに全高を1550mmに抑えつつ、ルーフレールを標準装備しているのも評価できるポイントだろう。駐車や取り回ししやすいサイズは大きな武器だ。先述したように、このプジョー2008もルノー・キャプチャーもヴェゼルもベースのハッチバックよりも価格は上がっているが、対価にふさわしい内容を得ている。にわかに活気づいてきたコンパクトクロスオーバーは、ひとつのジャンルとして定着する可能性を感じさせる。