膠原病・リウマチ

チャーグ・ストラウス症候群の原因・症状・治療(2ページ目)

アレルギー性肉芽腫性血管炎(チャーグ・ストラウス症候群)は、アレルギーと自己免疫疾患の両面を持つ病気で、非常な稀な病気です。ソチオリンピックで竹内選手が病名を告知したことで名が知られるようになりました。この病気について説明します。

清益 功浩

執筆者:清益 功浩

医師 / 家庭の医学ガイド

チャーグ・ストラウス症候群の検査

血液検査で好酸球という白血球が多くなります。血液1μlの中で1500個以上か白血球全体の中で10%以上多いと、好酸球増多と言います。アレルギーで上昇するIgEというタンパク質の増加、好中球に対する抗体であるMPO-ANCA(p-ANCA)陽性を示します。皮膚の組織を一部採取して、血管の状態を顕微鏡で確認して、血管炎があれば確定します。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の人が、発熱などの血管炎の症状があれば、この病気の可能性が高いです。

チャーグ・ストラウス症候群の治療

気管支喘息もアレルギー性鼻炎もアレルギーによる炎症であり、血管炎も炎症ですから、炎症を抑える治療が中心になります。
プレドニゾロンというステロイドを内服します。重症の人には、ステロイドを多く使用するステロイドパルス療法を行い、さらに、免疫抑制薬を使用します。
これらの治療でも神経の症状が残ってしまう場合は、ガンマグロブリンを大量に投与する治療が行われます。
好酸球という白血球は、ステロイドに対して、抑制されますので、約90%の方が症状がなくなり、落ち着いた寛解という状態になります。しかし、神経の症状がなかなか治らない場合や血管炎を再発することもあり、要注意です。

約10%はステロイドや免疫抑制薬が無効、または、良くなったり悪くなったり繰り返します。最重症では、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などによって、後遺症を残したり、死にいたることもあります。

ステロイドや免疫抑制薬を使用している間は、体の抵抗力が下がっているので、風邪でも重症になる場合がありますから、感染予防が非常に重要になります。

最後に、チャーグ・ストラウス症候群を告白して、銅メダルを獲得した竹内択選手に勇気をもらいました。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※当サイトにおける医師・医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。
免責事項

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます