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ほとばしる個性 VT1300CR試乗レポート(2ページ目)

圧倒的な存在感 純正とは思えないデザイン VT1300CRを一週間乗り倒して試乗レポートします。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

圧倒的な存在感と気持ちのよい直進安定性

個性的なタンク

個性的なタンク

VT1300CRの魅力はなんと言っても、圧倒的な存在感。その存在感を生み出すのは、メーカーの純正車両とは思えない見た目です。まず前述したグースネックフレームは、国産のバイクで他に採用されている車種を私はほとんど知りません。

緩やかな湾曲を描いたメインパイプに添って取りつけられているタンクはまるで芸術品のようなフォルムです。また、エンジンの圧倒的な大きさと造形。フロントタイヤの太さも圧倒的な存在感を印象づけます。

通勤で一週間都内を走り続けましたが、車やバイクに乗っている人の視線を頻繁に感じることがあります。とても注目される車両です。にくいことにホンダの車両であることや車両の名称がわかるようなエンブレムやステッカーが車体に一切ない為、メーカーが出している純正の車両とは思われません。

バイクに全く興味がない私の妻や友人もこの車両を見ると圧倒され、「すごい」「格好良い」「未来のバイクみたいだ。」と騒ぎます。ある意味あまりバイクに興味が無い人が見た時のリアクションが一番面白いかもしれません。

エンジン、マフラーの音は思ったよりも小さく、高速道路を走行していても、ほとんど気になりません。圧倒的に長いホイールベースと車両の重さ、タイヤの太さが生み出す直進安定性は快適そのもので、とても気持ちよく走ることが出来ます。

16リッターの燃料タンクが装着され、高速道路では1リッターあたり、20km前後走ることが出来る為、ロングツーリングには最適なバイクといえます。

乗り方と用途があえば、これ以上ない相方となる一台

エンジンの造詣も美しい

エンジンの造形も美しい

このバイクは乗り手を選ぶ一台です。ホンダが販売している他のアメリカンバイクは癖がなく乗りやすいのですが、VT1300CRは癖が強く、アメリカンバイクの乗り方を要求されます。極端にホイールベースを伸ばしたグースネックフレームと17インチの極太フロントタイヤは路面の段差に弱い側面があります。

私もそれなりに色々なバイクに試乗させて頂いていますが、癖の強い一台です。あまり経験のないライダーが乗ると、短時間の試乗では悪癖ばかりが目立ってしまい、良さを感じることが難しいかもしれません。

しかし、乗り方に慣れてくると、良い面がどんどん見えてくる懐の深いバイクでもあります。自画自賛ですが、VT1300CRをお返しする最終日。都内をどでかいこのバイクにまたがるちびっ子の私が運転に慣れスマートに運転している姿は、大柄のアメリカ人が運転しているよりも格好良く見えたことでしょう。

メインの用途がロングツーリングという方にはお勧めの一台です。路面にあまり凹凸の無い高速道路の走行はとても快適です。また走っているとパッと見ただけで「異質」と感じるデザインは、見るものを圧倒します。目立ちたがりの方にもお勧めです。

VT1300CRのマフラー音とエンジン音はこちらでご確認下さい。


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