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増税前の駆け込み消費をしてはいけない4つの理由

4月からの消費税増税を前に、消費を促す情報やセールが増加しています。しかし、増税前の駆け込み消費は逆に損をする可能性が大いにあるので十分注意して下さい。

和田 由貴

執筆者:和田 由貴

節約ガイド

増税前

増税前にまとめ買いする?

増税前の駆け込み消費は得なのか?

4月からの消費税増税を前に、買い物の話題が多く上がるようになってきました。

テレビや雑誌などでは、増税前に買うべきものやまとめ買いした方が良いものといった話題が頻繁に取り上げられ、店に行けば増税前のセールと、ここぞとばかりに消費を促す情報が氾濫しています。特に食品や日用品となると、毎日のことなので家計に与える影響は大きく、今の状況に危機感を持たれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ここは一呼吸して冷静になりましょう。節約の基本は「必要なものを・必要な時に・必要な分」買うことです。増税前の駆け込み消費は逆に損をする可能性が大いにあります。

理由その1 増税後に値崩れする

増税前に駆け込み購入しようとする消費者の動きが強くなれば、必然的に増税後の需要は落ち込みます。物価は原油価格の変動や円安円高といった別の要因によっても左右されるため、必ず値崩れするとは言い難いですが、需要が落ち込めば価格は下がるのは必然。

実際前回消費税増税(3%から5%)のあった平成9年の消費者物価指数をみると、トイレットペーパーや洗剤などの日用消耗品は増税後一時的に上昇したものの、増税後数か月から半年経つ頃には徐々に下がり増税分を相殺、もしくは増税前よりも低くなるという現象がおきました。

販売する側としても増税後の客離れを懸念して、増税前よりもお得感を出すセールなどを実施することも予想されます。増税前に駆け込みで買った価格より、増税後の方が増税分以上に安くなってしまう可能性は大いにあるのです。

理由その2 買い置きは無駄に消費しやすい

お酒や嗜好品などは特に、買い置きがなければ消費しないのに、あればつい食べたり飲んだりしてしまうことがあるのではないでしょうか。

嗜好品以外の調味料や日用品でも、ストックが無ければ大事に使おうと思うのに、あれば気が大きくなって少々無駄にしてもいいや、という気持ちが働いてしまいます。

人は「お得」に弱いもの。安く買った、お得だった、という免罪符のもと、逆に多く消費してしまうという無駄を起こしやすいのです。

理由その3 保管するのもコストがかかる

目に見える出費ではありませんが、家にストックを抱え込めばそれを置く場所にもコストはかかっているということを考えなくてはなりません。

例えば家賃10万円70平米の賃貸マンションに住んでいる場合に、押入れ半間分程の場所を買い置きをした物のストックスペースに充てたと仮定します。半間分の広さは1.65平方メートルなので、この広さを家賃分に換算すると約2,357円です。

家に在庫をストックしておくのに1ヶ月2,357円分の家賃。2,357円というと1ヶ月分で約78,500円の買い物をしてようやく増税3%分の元が取れるほどの金額です。とても採算が合わないですね。

理由その4 たいして節約にならない

今回増税するのは3%。例えば1万円分の買い物をした時に変わる金額は300円ということになります。

この300円得しようとすれば、200円の商品だったら50個、300円の商品だったら33個買い込まなければならないわけです。

労力に対してあまりにも節約できる金額が少ないと思いませんか?


もちろん、通勤通学定期などのように、増税前ギリギリに買っておいた方が良いというものも幾つかはあります。しかしそれも一過性のもの。その時だけ若干節約になっても、継続した節約にはならないのです。

長い不景気が続いた後、アベノミクスで景気が上向きだとか言われても、一般庶民にそれを実感できたほどの状況ではなかったのは皆さん十分体感されていることと思います。

増税前に買った方がいい!という煽りに流されないよう、かしこい消費を心掛けて下さい。


参照:総務省統計局 消費者物価指数(CPI)時系列データ

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