気になるパッケージングも隙のない完成度
室内の広さやシートアレンジなどもライバルをよく研究し、大きく進化している。ノンステップの低床フロアでとても乗降しやすく、1400mmの室内高もクラストップで、サードシートに座っても頭上まわりに閉塞感は抱かせない。しかもサードシートは、膝が浮いてしまう「体育座り」になりにくい。ヒール段差がしっかりと確保されているため、大人でもきちんとした姿勢で座れるようになっているのだ。
7人乗りのキャプテンシートは、従来から300mmも延びて810mmの超ロングスライドに対応し、横スライドも可能で、しかも1本のレバーで操作できる。8人乗りの6:4分割チップアップシートは、560mmとこちらも不足を感じさせないシートスライドに対応している。
また、ハイブリッド仕様でもバッテリーを縦から横置きするなど配置を工夫することで、前後、左右方向のウォークスルーができるようになっている。
積載性も大きく向上
低床化されたのは室内だけでなく、荷室フロア高も従来よりも60mmも下がり、500mmと低い位置に設計されている。開口部も大きく、荷室幅も200mm拡幅されて1100mmもあるから自転車などの大きな荷物も積載しやすくなった。また、100mm延びた全長により取り回しやテールゲートオープン時の使い勝手も気になるところだが、最小回転半径は従来モデルと同じ5.5mに収まっている。
テールゲートは、ヒンジが前に持ち上がるように動くためテールゲートを開けた際の長さは先代モデルよりも短くなっているという。これなら狭い駐車場などでの開け閉めも先代と同じような感覚でできるだろう。
ほかにも、広さを感じさせる2列目と3列目のフットスペースなど、ミニバンに求められる要素を全方位磨き上げた新型ヴォクシー/ノア。燃費ひとつ取ってみてもライバルを圧倒する快進撃は続きそうだ。