スタイリッシュな雰囲気で芳醇な淡麗系を味わう
国道246号線沿いの駒沢にある、1軒のラーメン店。「666」と書かれたスタイリッシュな看板からは、一見するとラーメン店とは思えない。店内も流線型のカウンターに、黒とライトグリーンを基調としたシックな雰囲気は、まるでBarかDiningの如し。それが「666(ロクロクロク)」。長野にある「凌駕」の東京進出店だ。劇団員だったご主人
ご主人は赤羽厚基さん。もともとは劇団員だったこともあるそうで、独学で店を構えた。「6という数字が好きなんです」「666」という意味をご存じだろうか?「新約聖書」の「ヨハネの黙示録」という項目に出てくる一節があり、「獣」を表すとされ、いわゆる「不吉な数字」とされているもの。敢えてその屋号にし、「縁起の悪い数字を、縁起がよくなるように邁進する」と、意気込む。そこには「自戒の念」を忘れない、真剣な意気込みが伝わってくる。長野から進出の赤羽厚基さん
芳醇な味わいで柚子風味も香る
看板メニューは「煮干醤油ラーメン」(750円)だ。ビジュアル的にも、質実剛健的で、店舗のイメージにぴったり合っている。しかし、スープを一口味わえば、意外にも爽やかな風味が広がった。ラーメンのジャンルとしては淡麗系と呼ばれる系統に属している。丸鶏と鶏ガラをじっくりと煮込んだ動物系スープ、そして、片口煮干しを4種類、白口煮干しを1種類用い、さらに利尻昆布やしいたけ、カツオ、サバ、宗太節などで採った魚介系スープを別々に作り、それを合わせる、ダブルスープ。雰囲気からはもっと濃厚でガツンと効いた1杯が出てきそうだが、思いのほか芳醇な味わいに驚く。しかも、ふわりと柚子の香りまでするのだ。しかも、醤油ラーメンを支える「醤油感」が前面に出ている。これは、長野県松本市の丸正醸造の「信濃むらさき」という再仕込醤油を使用しているからだろう。一般の濃口醤油よりも淡い色で、まろやかな風味が楽しめる醤油だ。
長くて啜りがいのある中細ストレート麺
それとともに、こちらでは麺にもこだわりが。中細のストレート麺は、通常よりもずっと長い。実は、2倍の長さがあるとか。これは「啜りがいがあるように」と敢えて赤羽さんの考案で、特注で作ってもらっているそう。ちなみに製麺所は、福島県の「富多屋生麺」。啜りがいがあるのは、そのとおりだが、それに、ふわりとただよう小麦粉の風味。上質な麺もラーメンの重要なアイテムのひとつ。さらに特筆すべきは、チャーシューだ。豚と鶏の両方をラインナップ。独特の滑らかな風貌をしているのは、両者とも低温でじっくりと調理しているから。最近は、この「低温法理」の豚チャーシューと鶏肉を、両方とも載せるのがトレンドの一つ。
他にもメニューとしては「特製醤油ラーメン」「手もみ中華そば」「コンデンス煮干つけ麺」なども揃うので、その日の気分で選び分けるのもいいだろう。
<店舗データ>
■666
住所:東京都世田谷区駒沢4-19-11
TEL:03-3411-3666
営業時間:11:30~15:00 18:00~23:00(スープなくなり次第終了)
定休日:日曜の夜、月曜
アクセス: 東急田園都市線駒沢大学駅より徒歩8分
地図: Yahoo!地図情報
ホームページ:http://ryo-ga.com/
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