気が付きにくいですが、アート作品は身近な場所にあるものです。今回は、ウィンドウに置かれているアート作品を紹介します。

商品を並べてるだけじゃないエルメスのウィンドウ

ここは東京・銀座にある「銀座メゾンエルメス」。イタリアを代表する建築家レンゾ・ピアノ氏が手がけたガラスブロックの建物には、皆さんも行かれたことがあるのではないでしょうか。晴海通りに面したショップ入口にある正面ウィンドウとビル壁面にあるキューブ状の16のウィンドウ、実は現代アートのアーティストやデザイナーが手がけているのです。
(C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermes Japon

(C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon


 
この写真は、2014年1月22日~3月18日の間の正面ウィンドウで、30代のアーティスト植松琢麿さんがディスプレイを手がけました。エルメスは、ウィンドウをエルメスと街の最初の接点、ただ単に商品を並べる場所ではなく、エルメスの世界観や年間テーマ(2014年のエルメスの年間テーマは「メタモルフォーズ―変身」)を伝えるコミュニケーションのひとつと考えているそうです。

植松琢麿作品 ビル壁面にあるキューブ状の16のウィンドウのひとつ (C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermes Japon

植松琢麿作品 ビル壁面にあるキューブ状の16のウィンドウのひとつ (C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon


 
今回の植松さんは、関西を拠点に、FRPなどを素材にした立体作品をドイツや日本の美術館やギャラリーで発表するアーティスト。普段から「つながり」や「輪廻」という概念をテーマにしている植松さんは、エルメスの年間テーマとも絡めながら、エルメスのルーツである馬、エルメスが扱うスカーフをつかって、《新たな世界のために》というタイトルでディスプレイしました。人通りが多い場所にあるこの「開かれた窓」=ウィンドウを、あなたも足を止めて見てください。ただエルメスの商品を伝えるだけのウィンドウではない、と気が付くはず。エルメスのもつものづくりのありかたや哲学、植松琢麿というアーティストの視線を感じるのではないでしょうか。私は「色のない不安な今の時代の中で何をつかまえたらいいのか、でもどこかに色の豊かな世界が待っている」と感じました。皆さんはどう感じますか?

ちなみにパリのフォーブル・サントノーレ店は、1920年代から「エルメス劇場」と呼ばれる、話題性があるディスプレイを展開しています。特に1977年以降は、レイラ・マンシャリという女性クリエイターがディスプレイを担当しているのだそうです。ディスプレイのヒントとなる年間テーマは同じですが、それぞれの国で独自のウィンドウを見ることが出来るなんて、とても気になります。

2013 年9 月19 日~11 月12 日 HITOTZUKI 《BACK IN THE POOL》 (C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermes Japon

2013 年9 月19 日~11 月12 日 HITOTZUKI 《BACK IN THE POOL》 (C)Satoshi Asakawa / Courtesy of Hermès Japon


 

銀座メゾンエルメスでは、2001 年のオープン以来、約2 カ月ごとに毎回異なるアーティストとともにウィンドウをつくり上げています。過去から現在までのウィンドウについては、こちらで見ることができます。

銀座メゾンエルメス
東京都中央区銀座5-4-1