米国株は1月下旬の急落から回復し、ナスダックは13年半ぶりの最高値更新へ
アベノミクスへの失望売りなのか!?米国株は好調も、置き去りにされる日本株市場
個別株を見ても、連日のようにニューヨークとナスダック合わせ200を超える銘柄が昨年来高値更新しています。グーグル(GOOG)やフェイスブック(FB)等の最高値更新常連銘柄については驚きありませんが、英豪系大手鉱山資源のリオティント(RIO)の株価までもが昨年来高値を更新している点に驚かされます。その他産金銘柄大手も年初来で大きく株価を上げており、米国上場銘柄だけでなく、香港の金鉱株、招金鉱業(01818)なども急な上昇となっています。実は資源価格が株価以上に大きく上昇しているのがこの背景にあり、この傾向がさらに続くようなら「重大な投資姿勢の転換」をもたらす可能性もあります。
アベノミクスへの失望売りなのか!?置き去りにされる日本株市場
一方、日本株も米国株と同様に上昇転換が期待される位置にありました。2月12日(水)までに2014年初の3連騰となったのですが、出来高を増しながら大きく上昇した日はありませんでした。力強さが見られないと思っていたところ、続く2月13日(木)、14日(金)は連続して大きく下落し、2月14日(金)はSQもあって逆に商いを大きく増しながら売り込まれる形となり、軟調な状況が未だに続いています。ナスダックが年初来でプラスに転じ、場中で13年半ぶりの最高値となったにも関わらず、日経平均が年初来で▼12.1%も下落し、200日移動平均線をも回復していないのは不思議です。もちろんその要因は、円高にあると分かっているのですが、世界的に相場が良くなれば、これまでは円安に動いていただけに何か釈然としません。勿論昨年も短期的には好不調の波はありましたが、いずれの波の時も世界の相場状況とここまで乖離したことはなかったと思います。
テクニカル面からすると、日経平均が200日移動平均線を下回ったことは重大な事であり、すぐさま200日移動平均線まで回復するなら、単なる一時的な下落として片付けられますが、世界的に株価が回復している中で、未だモタモタしているところは気になります。
もしかすると、本格的な日本売りが海外投資家から定着してきている可能性があります。一応、2月第1週に海外投資家は2013年に入って初めて、東証一部で僅かながら買い越しに転じており、これが続けば心配ありませんが、2月20日(木)に発表される2月第2週分の結果には要注目です。
特に年初来で大きく値を下げているセクターがその他金融、不動産、証券、鉄鋼の順となっています。これらセクターの急騰と円安というのは、昨年春頃に出たアベノミクス相場の象徴でした(当時外国人が空前の買い上がりと見せた)。ところが年初から円高と成る中でこれらがきつく下げており、そこに外国人の巨大な4週連続売越が同時進行で絡んでおり、注意したい所です。単なる偶然であるのか、それとも本格的なアベノミクスに対する失望売りなのか、見極めが必要です。
もっとも、この現象が定着して、アベノミクスへの失望売りが継続して出るようであれば、政府としては「日銀の追加緩和」という伝家の宝刀を抜くことにも繋がります。これを出されれば、今度は一転して急激な円安となり、外国人投資家も一気に買い戻さざるを得ないと思います。
参考:日本株通信
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