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今季限りで引退するヤ軍・ジーターから目を離せない

ヤンキースの主将デレク・ジーター内野手(39)が今季限りで現役を引退することを発表した。かつて「ユニホームを着ているうちは、オフもオンもない。ずっとオンだ」と話していたジータ。そんな彼が、ようやく“オフ”を迎えることになりそうだ。

瀬戸口 仁

執筆者:瀬戸口 仁

野球・メジャーリーグガイド

ようやく“オフ”を迎えるジータ

全米中から愛されたヤンキースの主将が、今季限りで引退することに。

全米中から愛されたヤンキースの主将が、今季限りで引退することに。

ヤンキースの主将デレク・ジーター内野手(39)が今季限りで現役を引退することを発表した。

「1カ月ほど前、今シーズンが自分にとってのラストになるとつくづく思った。2014年シーズンは私のプロ野球選手として最後のシーズンになる」と表明。その大きな理由は、やはりケガだ。2012年10月に左足首を骨折し、昨季も相次ぐ故障で出場11試合に止まり、打率1割9分、1本塁打、7打点に終わった。

「ケガに悩まされてから、今まで楽しみながらできていたことが、苦しみに変わった。野球を仕事と感じるようになったときが次に進むとき」

かつて私はジーターに、「オフはどのように過ごしているのか?」と質問したことがある。そのとき彼はこう答えた。「ユニホームを着ているうちは、オフもオンもない。ずっとオンだ。シーズンオフと呼ばれる期間は、トレーニング量を30%はアップさせる」と言い切った。これからすると、ジーターはようやく“オフ”という言葉を使うことができる。

昨季はケガで不満足なシーズンだったからといって、彼の実績にキズが付くようなことは全くない。1995年のメジャー昇格からヤ軍一筋でプレー。昨季までの19年間の通算成績は2602試合、打率3割1分2厘、3316安打(現役最多)、256本塁打、1261打点。5度のワールドシリーズ制覇に貢献し、2000年のワールドシリーズではMVPに輝いている。オールスターに13度選出され、ゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞をそれぞれ5度獲得。とにかく、華麗なる遊撃守備と勝負強い打撃に加え、人格的にも優れていたことで“キャプテン”としてファンに愛された。

全米中から愛されたもう一つの大きな理由は、黒人(父親)と白人(母親)のハーフだったことで、黒人のファンからも白人のファンからも人気が高かったことだ。今後、ジーターを超える人気者はなかなか出てこないだろう。

もちろん、日本でも最も有名なメジャーリーガーの1人であるジーター。松井秀喜氏とは“親友”であり、現チームメートである黒田、イチローとも仲がいい。何より新たにチームメートになったばかりの田中にも気配りを忘れず、この1年間でヤ軍魂を注入する気でいる。

背番号「2」はヤ軍の永久欠番になること、野球殿堂入りを果たすことは確実で、さらにはヤ軍の監督候補であることも間違いない。このジーターがプレーする最後の1年間を、我々は目に焼き付けたい。
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