物価の上昇はより鮮明になる
超低金利という言葉は聞き飽きたかもしれませんが、残念ながらあと数年は使わざるを得ない状況が続きそうな予感です。米国は景気の回復を背景に金融緩和縮小(テーパリング)を始めていますが、日本は追加緩和が示唆されているのです。つまり、金融政策の引き締めが俎上に上ることすらないということです。消費者物価指数の上昇や、わが国も景気が順調に回復すれば多少の金利の上昇はあるでしょうが、相対的に超低金利という状況に変わりはないと考えられます。2013年の年間の消費者物価指数の上昇率は、2008年以来の対前年比0.4%の上昇となりました。消費者物価指数が対前年比0.4%上昇したことから、メガバンクを中心とする定期預金金利は5年振りに物価の上昇率に勝てない、いわゆる貨幣価値の目減りとなってしまったのです。
2008年の物価の上昇は1年だけで済みましたが、今回の物価の上昇は1年だけではなく、永続する可能性が高いでしょう。言わずと知れた、デフレ脱却のために政策が行われているからです。2014年の物価上昇を論じるは時期尚早ですが、仮にプラスになる=2年連続の物価上昇となった場合は、21世紀になり初めてのこと。振り返れば1996年から1998年の3年連続上昇以来ということになります。
ネット銀行のキャンペーンは終了間近も
物価の上昇が鮮明になり、また物価の上昇が継続して行くと予測されている以上、預貯金においても物価の上昇に負けないように、少しでも好金利を確保して行く必要がますます高まってくるでしょう。好金利預金といえば、インターネット専業銀行や地方銀行のインターネット支店です。インターネット専業銀行はメガバンクなどより、恒常的に金利が高いのですが、ご存じの通り夏・冬のキャンペーンには金利がさらに高くなります。キャンペーンを行う銀行は減少していますが、それでも毎夏・冬と必ずキャンペーンを行ってくれる銀行もあります。
ソニー銀行と住信SBIネット銀行がその代表ですが、住信SBIネット銀行の特別金利は2014年2月2日の預け入れ分まで金利は6カ月=0.20%、1年物=0.25%、5年物=0.31%となっています。固定金利商品なので5年物の利用は控え、6カ月物、1年物で様子を見ながら利用するのがよいでしょう。
ソニー銀行は6カ月物、1年物ともに0.25%。期限は2014年2月28日、午後11時59分まで。まだ期限があるとはいえ、1カ月なんてあっという間の出来事です。利用を考えているならば、早めに手続きを完了しておきたいところです。
ソニー銀行の0.25%、住信SBIネット銀行の1年物0.25%という水準は物足りないかもしれませんが、メガバンクなどと比較するとその金利は10倍の差。預入金額が多くなるほど、その差を実感できるはずです。これまで何もしてこなかった人ほど、行動することがより大切になるはすです。0.025%が0.25%に変わるだけと思われるかもしれませんが、時が経過するほど動いた場合と、動かない場合の差は大きくなっていくのです。
株式投資や外貨建て商品などを始めるにはハードルが高いかもしれませんが、定期預金の預け替えにはほとんどリスクはありません。物価上昇への対応の第1歩として、まずは定期預金の預け替えから始めてみませんか。