ヤンキースとのサブウェイ・シリーズに注目!
実績のあるベテラン投手が不在で、投手陣の層は厚くないメッツ。マイナー契約ではあるが、松坂投手のメジャー昇格、先発ローテ―ション入りは既定路線と考えてよさそうだ。
昨季はインディアンズ傘下の3Aでスタートした松坂だったが、8月下旬に自ら希望してメッツへ移籍。メジャーで7試合に先発して3勝3敗、防御率4.42の成績を残した。とくに9月25日(同26日)のレッズ戦では八回二死まで無失点に抑えて1対0の勝利に貢献するなど、3連勝でシーズンをフィニッシュ。「来年につながる投球ができたと思います」と完全復活への確かな手応えをつかんでいた。
これに対し、先発投手が若手主体で、実績のあるベテラン投手が必要だったメ軍が松坂に再び声をかけた。今オフ、メジャー通算189勝のコローン(前アスレチックス)を獲得したものの、エースのハービーが右ヒジ靭帯再建手術を受けて今季絶望。7年目27歳のニース、5年目27歳のジー、期待の新人ウィーラーと先発4番手までは何とかいるが、5番手がいない。その5番手の座を松坂はラナン、モンテロと争う。
メ軍のアルダーソンGMは「経験も豊富な投手で、戦力になる」と松坂を評価し、かつてオリックスで指揮を執ったコリンズ監督も松坂の底力を知る理解者といわれている。投手陣の層の薄さを考えれば、メジャー昇格、先発ローテ―ションの5番手というのは既定路線かもしれない。
そうなると楽しみなのは、田中将大投手(25)の移籍先と決まった同じニューヨークを本拠地とするヤンキースとの“サブウェイ・シリーズ”だ。今年のスケジュールでいくと、5月12日(同13日)と13日(同14日)にヤンキースタジアムで、5月14日(同15日)と15日(同16日)にメ軍の本拠地シティーフィールドで行われる。両本拠地が地下鉄でつながっているため“サブウェイ・シリーズ”といわれる。ニューヨーカーはヤンキース派(圧倒的に多い)とメッツ派に分かれるため、スタンドのあちこちでケンカが起こるなど、とにかく盛り上がるのだ。そこで田中と松坂が投げ合うとなれば、日米で盛り上がるのは必至。
横浜高時代は甲子園を、西武時代は“平成の怪物”としてパ・リーグを沸かせた先輩として、松坂は意地を見せたいところである。