過去問分析
最近の本試験でも「商品有高帳」が中心の出題がされました。今回は商品の動きとその他の補助簿の連動性を確認していきましょう。
下記の取引について、どの帳簿を使うかを確認します。
1. 商品を掛けで仕入れた場合
仕訳は、
(借方)仕入 ××× /(貸方) 買掛金 ×××
となります。
この場合、まず、借方に「仕入」勘定がありますが、日付・金額等を「仕入帳」に記帳します。同様に「買掛金」の動きは、「買掛金元帳」に、そして、商品を仕入れたわけですから商品の有高が増加していますので、「商品有高帳」に記帳します。
2. 商品を掛けで売上げた(商品の発送費を現金で支払っている)場合
仕訳は、
(借方)売掛金 ××× /(貸方) 売上 ×××
発送費 ××× / 現金 ×××
となります。
考え方は、上記の1の場合と同じで、「売上」勘定に関しては「売上帳」に、売掛金に関しては「売掛金元帳」に記帳を行います。
また、商品を売上げて有高が減少していますので、「商品有高帳」への記載が必要となります。さらに、今回忘れてはいけないのが、発送費を現金で支払っているわけですから「現金出納帳」への記帳です。
仕訳を起こし、「借方・貸方に生じたそれぞれの勘定科目を一つずつ丁寧に確認」していくのが処理の漏れを防ぐコツです。
それぞれの勘定科目がそれぞれの補助簿の名前と類似しているのも意識しておくとよいといえます。
3. 売掛金を当座預金にて回収した場合
仕訳は、
(借方) 当座預金 ××× / (貸方) 売掛金 ×××
となります。
借方に生じた「当座預金」勘定に関しては「当座預金出納帳」に、貸方の「売 掛金」に関しては「売掛金元帳」に記帳します。これらの仕訳は、商品を売上げた後の掛代金の回収に着目したものですから当然、商品の有高に影響を与えず、「商品有高帳」にも影響を与えません。
対策
第2問は、配点が低い割に解きにくい問題なども出題されます。また、出題項目の詳細な予想が困難なため、実際の試験では解答するかどうかの見極めが非常に大切になります。学習を行う上では、帳簿組織を中心に、中でも代表的な「商品有高帳」や「小口現金出納帳」を中心的に学習するとよいでしょう。