子育て

親元を離れ子供が暮らす「施設」の基礎知識(3ページ目)

「明日ママがいない」で話題になっている「グループホーム」。施設と聞いたら、「親と暮らしていない子供が生活している施設」そんなイメージでしょうか。実は施設にも色々な種類があります。今日は、子供たちが何かしらの事情で親元から離れて暮らすことになった時、入所できる施設をご紹介します

横山 知己

執筆者:横山 知己

子育てガイド

いくつ知ってる?児童養護施設の種類

子どもと建物

「児童養護施設」と聞いたら大きい建物をイメージしますか?もしかしたらあなたの知らない「児童養護施設」の形があるかもしれません。

前ページからご紹介している児童養護施設の形態は大舎制と小舎制、そして芦田愛菜さん主演で話題のドラマ「明日、ママがいない」の舞台になっているグループホームがあります。

■大きな施設 大舎制
大舎制は大きな一つの玄関に下駄箱があり、目の前には廊下が広がり、その廊下の両側に居室が並んでる、そんなイメージです。大きな建物の中に、必要な設備(食堂・風呂・トイレ・学習室・図書室・居室などなど)が配置。子供たちが共同で生活しています。部屋は一部屋に4~8人、性別・年齢別にわけられ、施設の大きさにもよりますが自分の机とベッドと言うように、プライベートなスペースが持てるような工夫もされています。食事は食堂で全員でいただき、部屋ごとに順番に入浴。ドラマや漫画で描かれる、園庭で子供たちが遊んでいるシーンなどは、大舎制がモデルです。

■よりお家のような空間に!小舎制
小舎制は施設の敷地内に、独立した家(寮)があり、それぞれ必要な設備(風呂、キッチン、トイレ)が整えられています。一つの寮に生活する子供たちは6人から10人程度。住む子供たちの構成は、男女混合、男女別、横割り(同年齢を集めた寮)、縦割り(異年齢の子供たちを集めた寮)と施設によって様々です。食事はリビングルームで家族で食卓を囲むイメージで食べますが、調理については全調理(全部寮の担当職員が行う)、半調理(施設の厨房で作られたものを寮に持ち帰り温めて盛り付ける、お肉やお魚を焼く等)施設によって食事のとらえ方も様々になります。

■ドラマ「明日ママがいない」の舞台 グループホーム
児童養護施設の施設分園型、地域小規模型(施設の近くの家でグループホームを運営すること)などがあります。より家庭的なケアを目的とした施設です。夫婦制といって、夫婦でグループホームの職員をしているケースもあります。同じ大人と密度の濃い時間を過ごし関係を育むことが、子供にとって最善であるという考えから生まれた施設です。職員と一緒に食事を作ったり、洗濯物を一緒に干したり、小さい子は一緒にお風呂に入って体の洗い方を教えてもらったり。家庭での日常でみられる当たり前のことの中で、子供達は様々なことを学んでいきます。

社会に出て行くための準備期間 自立援助ホーム

水切りかごとお皿

自立するために必要なこと、丁寧に一つずつ身につけて行きます。

義務教育が終わる15~20歳までの子供たちが入所する施設です。家庭がない、家庭にいることができない子供が入所して、自立を目指します。大人との信頼関係を取り戻したり、今まで生きてきた環境の中で受けた心の傷を癒すと同時に、自立に向けコミュニケーションのとり方や、お金の管理、生活を営むために必要な家事等、社会で生きて行く上で必要なスキルを身につけていきます。

社会的自立を目指して、就労していることを原則としており、働いている収入の中から寮費を支払います。建物はグループホームに近い小規模型で、職員は子供7人に対して2人です。個室が与えられることが多いようです。共同生活をする中でのルールはありますが、基本的には子供達の自主性・自立性が大事にされます。

2番目に居心地の良い所を目指して

子供にとって、親元で幸せに暮らせるのが一番というのは、本当のことです。施設は事情があって親元から離れて生活をする場所。だからこそ、より家庭に近い状態に、色々な体験ができるように、子供自身が自分の生い立ちや親への想いなど心の整理をしたり、自立に向けて前向きになれるようにと日々ケアがされています。
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