日本ラグビーで一番の人気を誇るカテゴリー、それが大学ラグビーです。毎年4年生が卒業し、年ごとにメンバーが変わる状況で、それぞれの学校が工夫を凝らし、勝利を目指して懸命に戦う姿は、これまで多くのファンを魅了してきました。その大学ラグビーの頂点を決める大会が、大学選手権です。今年の大学選手権は11月9日に開幕し、きたる1月12日にいよいよ国立競技場で決勝戦が行われます。今回は大学選手権の歴史とその魅力について説明します。

人気抜群の学生ラグビーの頂点をかけた戦い、大学選手権


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大学ラグビーは日本でもっとも人気のあるカテゴリーだ (c)2013,JRFU (Photo by RJP Hiroyuki Nagaoka)

大学選手権とは、日本ラグビーでもっとも人気のあるカテゴリーである大学ラグビーの、日本一を決める大会です。

今年で50回の節目を迎えたこの大学選手権ですが、昨年度より開催方式が大幅に変更されました。これまでは16の出場校によるトーナメントで行われていたものが、ファーストステージ(地域リーグ代表の3チームによるリーグ戦)、セカンドステージ(関東、関西の各リーグの15校とファーストステージ1位校の計16校が4校ずつ4つのプールに分かれて行うリーグ戦)、ファイナルステージ(セカンドステージ各プール1位の4校による決勝トーナメント)という3ステージ制での開催に移行されたのです。

現行方式の大学選手権に出場するのは、関東大学リーグ戦1部、関東大学対抗戦A、関西大学Aリーグのそれぞれの上位5校と(計15校/セカンドステージから)、東北・北海道地区代表、東海・北陸・中国・四国地区代表、九州代表(各1校/ファーストステージから)の計18校です。

より魅力ある大会、大学生世代の強化に


このように開催方式が大幅に変更された最大の理由は、トーナメントマネジメント、大会経営の充実です。大学選手権をより魅力ある大会にすべく、近年、日本ラグビー協会は様々な取り組みを行ってきました。2年前までの一時期に出場校のキャプテンによる公開抽選によってトーナメントの組み合わせを決めていたのも、そのひとつです。

それ以前の大学選手権は、所属リーグの順位によってトーナメントのどの枠に入るかがあらかじめ決まっていたため、勝ち上がりを予想しやすい側面がありました。出場する側にすれば先の見通しが立てやすかったのですが、観戦する側にとっては、エンターテイメントとしてやや面白みに欠ける部分があったのも事実です。

開催方式が変更になったもうひとつの目的は、拮抗した試合数を増やし、大学生世代の強化につなげる、ということです。厳しい公式戦の試合数が少ないことは、大学ラグビーの大きな課題として長年問題視されてきました。20歳以下の日本代表が国際大会でなかなかいい成績を収められないことにも、その影響は表れています。

こうした理由から、大学選手権はここ数年で大幅に手直しされ、より魅力ある大会へと生まれ変わりつつあります。来年以降もさらなる充実を目指し、何らかの変更があるかもしれません。

意外に新しい!? 大学選手権の歴史


そもそもラグビーという競技は、各チームが定期戦を行う「対抗戦思想」が強く、世界的にも「優勝を決める」という文化はあまりありませんでした。世界一を決定する大会であるワールドカップが初めて行われたのが1987年と遅かったことからも、それがおわかりいただけるでしょう。ちなみにサッカーの第1回ワールドカップが開催されたのは、1930年のことです。

そのため大学選手権の歴史は意外に浅く、日本におけるラグビーのルーツ校である慶應大学ラグビー部が創部110年以上、早稲田大学ラグビー部ももうすぐ100年という歴史を持つのに対し、大学選手権はその半分の歴史しかありません。「関東と関西の大学が一堂に会し、日本一を決める戦いが見たい!」という世の中のニーズと、学生ラグビーの強化を両立させるために設立された――というのが、大学選手権が生まれた経緯なのです。