田中、堀江の2人のパイオニアが
スーパーラグビーへの道を切り開いた

tanaka

日本人スーパーラグビープレーヤーの扉を開いた田中史朗 (C)JRFU 2014, photo by H.Nagaoka

2年前の2013年シーズンから、田中史朗(パナソニック/ハイランダーズ)、堀江翔太(パナソニック/レベルズ)の2人の日本人選手が、世界最高峰のクラブリーグである南半球のスーパーラグビーでプレーしてきました。今シーズンは彼らに続いて、日本代表のキャプテンであるリーチ マイケル(東芝/チーフス)をはじめ、山田章仁(パナソニック/フォース)、稲垣啓太(パナソニック/レベルズ)、松島幸太朗(サントリー/ワラタス)、ツイ ヘンドリック(サントリー/レッズ)の各選手が、新たにスーパーラグビークラブに加入します。日本ラグビーにとっては、非常にいい流れができてきたと言えるでしょう。

これほど多くの日本人選手がスーパーラグビーでプレーできるようになった一番の理由は、パイオニアである田中、堀江の2選手が実績を残してくれたことです。

かつては人間が100メートルを9秒台で走るのは不可能だと言われていましたが、ひとりが10秒の壁を突破すると、その後は次々に9秒台で走る選手が現れるようになりました。それと同じで、「日本人がスーパーラグビーでプレーできるわけがない」と周囲が勝手に限界を決めていたところに、田中選手と堀江選手が活躍してくれたおかげで、多くの人が「日本人もスーパーラグビーでやれるんだ」と思えるようになってきた。おもしろいもので、いったんそういう流れができると、選手だけでなくファンやマスコミもそう思うようになり、相乗効果でどんどん「日本人でもできる」という雰囲気が醸成されていきます。

最初に道を切り開いた2人の功績はおおいに称えられるべきですし、間をおかずすぐにこれだけ多くの選手が続くことができたのも、とても素晴らしいことです。2015年は日本ラグビーにとって大きな転換点となるシーズンになるはずですし、彼らのプレーが未来に与える影響は計り知れません。

日本にもスーパーラグビー時代が到来。
選手のレベルは決して低くない!

堀江

今季は首の手術で欠場するものの、いまやスーパーラグビーでもおなじみの存在となった堀江翔太 (C)JRFU 2014, photo by H.Nagaoka

折しも昨年の11月、2016年シーズンから日本チームがスーパーラグビーに参戦することが決定しました。いままで日本人にとってはテレビで見るだけだった世界最高峰のリーグが、これからは現実に戦う舞台となるわけです。それに先駆けて多くの日本人選手がプレーすることで、選手はもちろん多くのファンが、「日本が本当にスーパーラグビーに近づいてきた」という実感を得られるでしょう。

サッカーからは10年以上遅れましたが、ラグビーでも多くの選手がインターナショナルの舞台で活躍する時代が来たわけで、10年後には当たり前のようにスーパーラグビーで戦い、世界中から多くのオファーが日本人選手に来るような時代になっていってほしいと願っています。

実際、世界最高峰のスーパーラグビーにおいても、日本人選手が通用する部分は数多くあります。特に今季スーパーラグビーでプレーする選手たちは、間違いなく通用するでしょう。

なぜこれまで日本人選手がスーパーラグビーでプレーできなかったかと言えば、いままでは国際舞台で戦う機会が日本代表戦くらいしかなく、たいていは大敗を喫していたためです。いくらいい選手だったとしても、チーム全体の低評価のイメージが加わると、その選手が上のレベルで通用するとはなかなか認識されません。しかし実際には、個人としてクローズアップして見れば、日本人選手のレベルは決して低くはないのです。