体力勝負のラグビーで夏合宿は絶好の力試しの季節!

ラグビーは全身を使って走り、ぶつかり合うスポーツです。ですから最終的に勝負は消耗戦になり、体力の有る無しが大きくものをいいます。そしてだからこそ、夏の暑い時期に練習をしたり試合をしたりすることは、自分たちの本当の力を試す絶好の機会になります。
 
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本番直前の夏合宿でどこまで力を高められるかが、シーズンの行方を左右する


選手にとって夏の練習はキツくて嫌なイメージかもしれませんが、指導者にとっては秋から始まる本番前の絶好の力試しの機会です。この時期にどれだけ戦えるかということをベンチマークの指標にして、さらに磨いていく部分や改善が必要な部分を判断します。そういう意味では、チームがその先進んでいく方向を決める分かれ道ともいえるでしょう。

一般的にラグビーといえば冬のスポーツというイメージがあるかもしれませんが、夏のラグビーにはここでしか味わえない魅力がたくさんあります。チームや選手の違った一面を見るために、ぜひ一度夏合宿をたずねてみてはいかがでしょうか。
   

総グラウンド数100面以上! ラグビー夏合宿の聖地・菅平

夏は、日本中のほとんどの場所が、ラグビーをやるには過酷な状況になります。そのため全国各地の高地や北海道、東北などの涼しい土地に、多くのチームが一斉に合宿を張ることのできるような地域が存在します。中でも関係者やファンによく知られているのは、夏ラグビーの聖地とも呼ばれる長野県の菅平高原です。
 
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夏ラグビーの聖地・菅平高原。この美しい風景の中で、過酷な日々が繰り広げられる


菅平は小さな町ですが、あちこちにラグビーグラウンドがあり、その数は実に100面以上。夏になれば関東だけでなく全国各地から、合宿を行うために多くのチームがここを訪れます。逆に考えればそれだけのグラウンドが必要なほどのチームが来ているわけで、夏合宿のシーズンは毎日、どこかのグラウンドで試合が行われています。

こうした環境の何がいいかといえば、いろいろなチームが常に、いたるところで練習や試合をしているという点です。自分と同じようにキツい顔をした人間が、時には合同練習を行い、時には敵として試合を戦う。それによってラグビー特有の価値観を共有し、一体感が生まれるという側面があります。
 

ニュージーランド人もびっくり! 数千人のファンが詰めかけることも

ちなみに菅平は東京から230km、車で3時間ほどの距離にあるのですが、そこで行われる練習試合を観戦するために多くの人が訪れ、時には数千人規模の観戦者が詰めかけることもあります。また以前は、夏合宿の試合がテレビ中継されたこともありました。ファンにとっても、夏合宿はシーズンへ向け各チームの実力を見極められる格好の機会なのです。

以前、ニュージーランドやイングランドのラグビー関係者を菅平に連れて行ったことがあるのですが、世界有数の強豪国のラグビーエリートである彼らが、「一体ここは何なのだ?」と驚いていました。一般的にはさほど知名度の高い場所ではありませんが、それほどの環境が、菅平にはあるのです。
 

本番前の格好の試金石! 過酷な状況だからこそ本質が見える

ラグビーにおける夏合宿の位置づけは、本番前の最後の仕上げです。春シーズンに新チームが発足し、新しいリーダーのもとで、新しいビジョンでチーム作りを進めていくわけですが、秋から始まる公式戦を前に、いま自分たちがどこまで到達しているのかを試す格好の機会になります。

そういう視点で見ると、そのチームが腰を据えて夏合宿を過ごしているのか、あるいは春の成果がなかなか表れず、焦りながら過ごしているのか、といったことがよくわかります。指導陣やリーダー陣のチーム作りに対する姿勢や態度に注目してみるのも、おもしろいでしょう。

実際、早稲田大学の監督を務めていた頃の夏合宿では、私は相手チームの指導者と意識して話をするようにしていました。また試合に出ていない選手たちの様子も、できる限り観察していました。それによって、そのチームがどういう過程でここに臨んでいるのかがよくわかるからです。

ファンの視点でいえば、それぞれのチームがどんな状況で練習や試合をいるのかを見ることで、そのクラブの雰囲気や意志を感じることができます。過酷な練習で追い込んでいるのか、それとも楽しそうに練習しているのか、誰が練習をひっぱっているのか、チームの一体感はどうかなどなど。過酷な状況だからこそ、そのチームのカラーがくっきりと見える。それこそが、夏合宿の醍醐味であるといえます。

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