■作品名 『イニシエーション・ラブ』
■作家名 乾くるみ
■おすすめポイント・読みどころ
80年代後半のバブル期を舞台に、A面とB面から構成される、乾くるみさんの「イニシエーション・ラブ」。何気なく読み始めると大学生の恋愛と青春物語のように思えますが、見事に足元をすくわれてしまう作品です。
【物語は…】
愛称「マユ」の成岡繭子は、ショートカットの似合う20歳のチャーミングな歯科衛生士。
主人公の鈴木夕樹は、数合わせのために引っ張りだされた合コンで、マユに人目惚れをしてしまう。
読書好きという趣味が合うことで二人は付き合うようになり、順風満帆に愛を育んでいくが…
この作品は、詳しくは書けませんが、ラストのどんでん返しもすごいのですが、もともとの発想のすごさにあると思います。
「一度読むともう一度読み返したくなる」と評判になった本ですが、さまざまなトリックが駆使されているので、見事に騙されてしまいました。
そして、その謎解きを確認するためと、「ああ~ここで騙されたなあ」という確認をしたくてもう一度読み返してしまいました。
このどんでん返しの見事さに、ネットでも様々な分析や解説をブログなどで発表している人もいるので、それを読むとさらに「なるほどねえ~」と、気がつかなかった部分に気がつかされ、3回目の読み返しをしてしまうほど、面白かった作品です。
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