子育ての提案競うハウスメーカー
読者の方には、子育てを契機に住宅取得をお考えという方も多いと思います。最近は「子育て住宅」なんていうのも、家づくりの大きなテーマになっていて、ハウスメーカーでもその提案の優劣を競い合っているところです。子育て住宅というのは、ハードの世界だけではもはや対応できないものなのです。要するに主婦の視点をどれだけ取り入れられるかということになるのですが、対面型キッチンなどといったハードだけでなく、家事動線や間取りの仕方といった提案力が問われる世界なわけです。
このようなソフトの部分についても、ハウスメーカーは顧客へのインタビューや、最近では女性社員の意見なども取り入れて、商品化に役立てているわけ。展示場のモデルハウスのしつらえも、実は消費者の反応をみることが目的とされています。
ペット共生にも様々な配慮やノウハウが必要
もう一つ事例を挙げると、「ペット共生」というのも最近の住宅トレンドの一つ。「ペットは家族同然!」とお考えの方も多いと思います。ペットと暮らすための家なんて誰にでもできそうですが、そこにも様々な研究成果やノウハウが必要となります。例えば、フローリングは犬、特に大型犬にとっては股関節を痛める原因になるため注意が必要です。また、ネコの場合でも、適切な高さに心地よい居場所を作ってあげる必要があります。ネコだって高い所から落ちるとケガするケースがあるのです。
ペットとともに快適に暮らせる家づくりも近年のトレンドの一つ。写真は筆者の実家の「ロン」。親ばかですみません
このほかにもユニバーサルデザインなんていうのも、家づくりに大切な要素。これは身体的な構造や動作に関する科学的な研究や、加齢に対する配慮も含まれます。大変細かな部分になるのですが、ハウスメーカーの中で最も差が大きな分野でもあります。
子育て住宅やペット共生など個別の提案内容については、また別の機会に詳しくご紹介します。なお、ユニバーサルデザインについては「優しい住まいのカギ ユニバーサルデザイン」をご参照ください。
次のページは、住宅展示場にスポットを当てて、ハウスメーカーと、工務店・建築家の特徴をまとめたいと思います。