2014年の金利上昇は望み薄
ネット銀行の冬のキャンペーンが行われているものの、2013年夏のキャンペーンと金利に遜色はありません。また、地方銀行のインターネット支店の金利は、夏頃と比較すると最も高い金利は0.1%程度低下しています。2014年をふかんしても、日本銀行の異次元緩和は続くうえ、消費税引き上げによる景気の落ち込み、あるいは目標とする消費者物価指数の上昇率2.0%を達成できそうもないと追加緩和が行われそうです。2014年も預貯金金利は、2013年同様厳しい局面が続きそうです。
個人向け国債は、5年物(固定金利)、10年物(変動金利)の募集(発行)こそ、2013年募集より毎月募集となるものの、やはり高金利を期待できそうにありません。消費税の引き上げの影響を受ける事なく景気が拡張しても、日本銀行が異次元緩和で金利の上昇を抑えている以上、金利が大幅に上がることは考えにくいでしょう。個人向け国債の金利は、2013年より若干期待できる程度に過ぎないと思われます。
となると、安全確実に運用したい資金でも少しリスクを取った商品選択をする必要があります。幸いにして、景気が回復基調にあることから、景気の後退局面や不景気の局面よりも信用リスクは低下していると考えられます。そこで、個人向け社債を運用対象にしてみてはいかがでしょうか。
個人向け社債は利率1.0%以上も夢ではない
2013年に発行された個人向け社債の発行額は公表されていませんが、おそらく、過去最高発行額を更新したと思われます。気づかなかった人は驚かれるかもしれませんが、人気がある個人向け社債はまたたく間に売り切れる金融商品なのです。 2013年の発行状況を振り返ると、利率1.0%以上の個人向け社債が度々発行されています。
発行した企業をあげると、ソフトバンク、オリックス、マネックスグループ、SBIホールディングス、あかつきフィナンシャルグループ、東北電力の6社でした。ただし、銀行が発行する早期償還条項が付いている劣後債、円建て外債(サムライ債)は除いています。国内債というくくりで劣後債を加えると、その数は十数社にも及びます。 その他、大和証券グループ本社が0.93%、ソニーが0.85%と惜しくも優秀賞を逃した個人向け社債を発行しています。1.0%以上というある意味お宝利率の個人向け社債を発行した6社は、2014年も個人向け社債を発行するとは断定できませんが、覚えておいて損はないでしょう。
2014年の傾向と対策
先にあげた6社の内、東北電力とオリックスが発行した利率1.0%を超える個人向け社債は、共に償還期限が10年ものでした。いくらお宝個人向け社債といえども、10年は長いと思われてなりません。資金運用のセオリーでは、低金利局面や金利上昇局面では長期の固定金利商品の利用を控えるが鉄則だからです。ただし、東北電力、オリックス共に頻繁に個人向け社債を発行する企業なので、頭の片隅には入れておいたほうがよい企業だと思われます。
残り4社の中では、これまでの発行頻度や発行額を勘案して2014年も期待できそうなのが、マネックスグループ、SBIホールディングスの2社でしょう。ソフトバンクは、1回当たりの発行額は多いのですが、これまでの発行頻度は数年に一度に過ぎないので注目度はやや下げてよい気がします。
マネックスグループ、SBIホールディングスの個人向け社債は、総合的に評価して東西の横綱といっても過言ではないでしょう。SBIホールディングスは、大多数が償還期限1年債ですが、マネックスグループは2013年後半、3年や5年物という中期債の発行となっています。
問題は、両者共にグループの証券会社しか取り扱わないことです。SBIホールディングスはSBI証券、マネックスグループはマネックス証券に口座を開設しておかないと購入できないというわけです。マネークスグループ債は、マネックス証券のメルマガを登録しておけば、発行の条件がメルマガで告知されます。募集が開始されたら大急ぎで申し込みましょう。なぜなら、先着順で募集しているからです。
SBIホールディング債は、人気殺到となったことから抽選となっています。ただ、告知の方法がマネックス債のように明確ではないことがあるようです。発行情報を上手に得ることが鍵になるでしょう。
預貯金金利に期待できないことから、2014年は2013年以上に個人向け社債に注目が集まるかもしれません。情報のアンテナを張ってお宝個人向け社債をゲットしてください。