大納会買い、大発会売りは有効か?
新年の初めての取引が行われる「大発会」では、その年の相場への景気づけということで例年株価が上がりやすい傾向にあります。これを「ご祝儀相場」と呼びます。今回は、大発会が「ご祝儀相場」になりやすい傾向を活かした「年またぎ戦略」についてご紹介します。「年またぎ戦略」とは、1年の最後の営業日である「大納会」の引けに銘柄を買い付けし、新年のはじめの営業日「大発会」の寄り付きで手仕舞いする戦略です。例年「大納会」から「大発会」にかけて株価は上昇しやすい傾向があり、この傾向を活かしたトレード手法が「年またぎ戦略」です。では、この「年またぎ戦略」は、はたして統計的に有効な投資手法でしょうか。過去の株価データから統計的に検証してみました。
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■年またぎ戦略■
検証対象:全銘柄
検証期間:1990年3月~2013年12月20日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・大納会の引けに成行買い
売り条件
・大発会の寄り付きに成行売り
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大納会の大引けに全銘柄を「成行買い」して、大発会の寄り付きに「成行売り」した場合の検証を行いました。仮に勝率が50%以上で、損益がプラスならば、「年またぎ戦略」は有効な投資手法と言えるでしょう。反対に損益がマイナスであるならば、有効な投資手法とは言えないでしょう。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、表の通りです。
【検証結果】年またぎ戦略
勝率: 63.64 %
勝ち数: 25,616 回
負け数: 14,637 回
引き分け数: 21,962 回
平均損益(円): 1,690 円 平均損益(率): 0.56 %
平均利益(円): 10,203 円 平均利益(率): 3.40 %
平均損失(円): -10,675 円 平均損失(率): -3.56 %
合計損益(円): 105,121,902 円 合計損益(率): 35,042.33 %
合計利益(円): 261,366,006 円 合計利益(率): 87,125.97 %
合計損失(円): -156,244,104 円 合計損失(率): -52,083.64 %
プロフィット・ファクター(総利益÷総損失): 1.673
平均保持日数: 3.62 日
以上が、「年またぎ戦略」の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は63.64%、1トレードあたりの平均損益は0.56%です。勝率も6割超えと高く、平均損益もプラスであることから、「年またぎ戦略」は統計的に有効な投資手法と判断できるでしょう。「大発会」は、リスク回避のために年末に株式を手仕舞いした個人投資家が、再度買戻しを行います。また、「大発会」は、新年は初めての営業日ということもあり投資家の気分が明るくなり「ご祝儀相場」になりやすいのでしょう。
なお、「大発会」のように、株式相場が上昇しやすい傾向が強く出る時期は、一年を通してほんのわずかしかありません。このような強い傾向を利用して、トレードを行うことで不用意に損失を被るリスクを少しでも回避することが出来るでしょう。みなさんの年末年始の投資を考える上で、「年またぎ戦略」に注目して見てはいかがでしょうか。
今回の検証結果は、あくまでも過去の株価データからシュミレーションされた数字であり、未来も同様になる保証はありません。しかし、少なくとも投資を行う上でのひとつの判断材料にはなるのではないでしょうか。目安があるとトレードもずいぶん行いやすくなります。みなさんもぜひ過去の株価データを使ってシュミレーションしてみてください。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします。)