GDP統計の市場への影響は軽微

一定期間内で生み出された財・サービスの総額を示すものですから、この数字の前月比、あるいは対前年同期比を比べることによって、経済が成長しているのかどうかを把握します。GDPの対前年同期比の伸び率をもって、「経済成長率」と称するのは、そのためです。

さまざまな経済指標の中でも、経済の実体を正確に示すため、エコノミストなどの間では非常に重視されています。が、速報性に欠けるという問題があります。
というのも、GDPは四半期に1度しか発表されないからです。具体的には「速報値」、「改定値」、「確報値」という順番に発表されていきます。具体的には、1~3月期のGDP速報値が4月に発表された後、5月に改定値、6月に確報値が発表されます。

同じく、4~6月期GDPは7月に速報値、8月に改定値、9月が確報値になります。
このように、1ヶ月ずつずれた形で、各期の速報値、改定値、確報値が発表されると共に、数字の確度が上がっていきます。

予想外の数字が出た時には要注意

このように、速報値から改定値、確報値というように、きめ細かく発表されていく経済指標ではありますが、マーケット関係者のウケという点からすれば、それほど大きな影響力を持つものではありません。

というのも、速報値⇒改定値⇒確報値というように、順を追って徐々に数字の確度を上げていくため、信頼できる数字ではあるのですが、大もとの数字が四半期に1度しか発表されないからです。四半期に1度しか公表されない経済指標の発表を待って動くほど、マーケットは悠長ではありません。

したがって、GDP統計は後から自分の判断が正しいのかどうかを確認するための統計と考えた方が良いでしょう。これから米国経済は回復に向かうという前提でドル買いのポジションを取っている市場参加者が、本当に米国経済が回復しているのかどうかを確認するために、GDPの数字をチェックするのです。

ただし、時々、GDPの数字がマーケットに波乱をもたらすケースもあります。予想外に良い数字、あるいは悪い数字が出た時です。このような時は、見込でポジションを取っていた市場参加者が、自分のポジションを修正するために一気に動きだしますので、波乱含みの展開になりがちです。

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