ICFはプラスの視点で見るのが特徴
まずは、前回の「予習問題」の回答です。ICF(国際生活機能分類)は、2001年、人間の生活機能と障害の分類法としてWHO(世界保健機関)総会において採択されました。ICFは1980年に発表されたICIDH(国際障害分類)が改訂されたものです。ICIDHは障害<機能障害、能力障害、社会的不利>というマイナス面を分類する考え方が中心でしたが、ICFでは、生活機能<心身機能・身体構造(生物レベル)・活動(個人レベル)・参加(社会レベル)>というプラス面からみるよう視点を転換し、さらに健康状態と環境因子(物的・社会的環境など)ならびに個人因子(個人の生活など)の観点も加えていることが特徴です(ちなみに、環境因子と個人因子をあわせて背景因子という)。
ICFは介護福祉士が学ぶ複数の科目に登場する重要な内容ですので、しっかり押さえてください。
「名称独占」と「業務独占」の違い、分かりますか?
介護福祉士は高齢者が増えるこれからの時代、ますます必要とされる職種です。そもそも、「高齢化社会」と「高齢社会」とは、どんな違いがあるのでしょうか。
日本が1970年に迎えているのが「高齢化社会」。これは老年人口の割合が7%超の状態のことです。一方、1994年に迎えているのが「高齢社会」で、老年人口の割合が14%超の状態のことをいいます。
引き続き、みなさんが将来取得される「介護福祉士」について理解を深めておきましょう。
以前のガイド記事『介護福祉士とは「介護をする」だけの職業!? 』でも触れていますが、介護福祉士は名称独占(無資格者はその名称“職業”を名乗ることができない)であり、業務独占(特定の業務に際して、特定の資格を取得しているもののみが従事可能で、資格がなければ、その業務を行えない)ではありません。
介護福祉士が信用失墜行為(介護福祉士の信用を傷つけるような行為)の禁止に違反した場合には、登録の取り消し、あるいは一定期間の名称使用禁止の罰則があります。
また、秘密保持義務(正当な理由なく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない)に違反した場合には、1年以下の懲役または30万円以下の罰金に加えて、登録の取り消し、あるいは一定期間の名称使用禁止の罰則があります。
次のページでは、介護福祉士とともに利用者のケアにあたる他職種を紹介します。