死亡保障の保険は、残された家族のために入るもの

まず、生命保険(死亡保障)の目的を考えてみましょう。死亡保障は、その人が死亡すると生活に困る家族がいる場合の経済的ダメージを軽減するための備えで、子どもが誕生すると本格的に必要になります。必要という点では同じなのですが、夫と妻では目的が少し異なります。
夫が死亡したら家族が受ける経済的ダメージは大きい。

夫が死亡したら家族が受ける経済的ダメージは大きい。



夫は生計を担っているのが一般的なので、妻子の生活費と子どもの教育資金を確保するのが目的となります。したがって、死亡保障が必要な期間は末の子どもが独立するまでです。末子が誕生した夫の年齢にもよりますが、必要な期間は50~60歳までと考えられます。

では、この必要な期間中に夫が死亡する確率はどれくらいなのでしょう? 平成28年簡易生命表(厚生労働省)の死亡率データを見てみましょう。死亡率とは、ある一定期間に死亡する人数の割合で、人口10万人あたりの死亡者数で表します。

下表は男性の年齢別の死亡率と平均余命です。30~65歳まで5歳刻みのデータを抜粋しました。平均余命(各年齢であとどれくらい生きるのか)は、今回の内容とは関係ありませんが、参考までに載せています。

子どもが独立するまでに死亡する男性は少ない。

子どもが独立するまでに死亡する男性は少ない。



末子が独立するまで多くの男性は死亡しない

さて、このデータは既婚か子どもがいるかまで考慮されていないので、年齢だけで考えてみます。結婚あるいは第一子誕生が30歳・35歳とすると、死亡するのは10万人のうち57人~70人です。末子が独立するのは55歳とすると395人です。その後、少しずつ死亡者数は上がっていきますが、セカンドライフが始まるとされる65歳時点でも973人しか死亡しません。つまり、多くの男性は末子が独立するまで死亡しないということです。

日本人の平均寿命は年々延びていて、前出の平成28年簡易生命表によると、男性80.98歳、女性87.14歳という結果に。子育て中に夫が死亡することはほとんどないのもうなずけます。

妻は、夫以上に死亡リスクは小さい

妻の死亡保障の目的は、共働きなら、生活費の補てん分+子どもの面倒をみてもらう費用の確保、専業主婦なら、子どもの面倒をみてもらう費用を確保するためです。よって、必要な期間は、前者は末子が独立する50~60歳まで、後者は末子誕生後の10~15年です。

下表は女性の年齢別の死亡率と平均余命です。男性同様、30~65歳までの5歳刻みの数字を抜粋しました。

育児中に死亡する女性も少ない。

育児中に死亡する女性も少ない。



女性は男性より長命なので、死亡保障が必要な55歳までに死亡する女性は10万の人うち207人です。

死亡リスクはゼロではない以上、生命保険は必要!

死亡率の数字だけで見ると、男性も女性も、子育て中にはほとんど死亡しないことがわかりました。では、死亡保障は必要ないかというと、そういうわけではありません。死亡リスクは小さくても、ゼロではない以上、死亡保障は必要です。もしも、限りなく少数の死亡者の1人になってしまったら困るからです。

では、こんなに小さい死亡リスクに、どれくらいのコスト(保険料)をかけたらいいでしょう。多くの人が掛け捨てになる死亡保障です。高い保険料を負担する必要はありません。掛け捨ての保険(定期保険か収入保障保険)で、できるだけ安くあげるのが賢明です。
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