洋服は量とサイズを把握する~クローゼット収納のコツ
「洋服の量は個人差が大きいのですが、皆さん、意外と自分がどのくらいの服を持っているか知らないんです」と三枝さん。家を建てる際には、まず、持っている服の量を把握することが大切。それによって、クローゼットの容量やつくりが変わります。洋服は、吊るして収納するものと、たたんで収納するものに分けられますが、大人ひとりの平均的な服の量の場合、吊るすためのパイプの長さは約3mが目安になります。夫婦二人なら6mくらいになりますね。スーツやワンピースが多い人の場合は、もう少しパイプの長さが必要になるかもしれません。
男女の服ではサイズ(奥行)が異なるので、下の写真のように短いもの・長いもの、男物・女物でわけるなど、初期計画で考えておくだけでクローゼットはさらに使いやすくなります。
子どもの場合は、成長によって服の量もサイズも変わっていきます。いずれは大きくなることを見越して可変すること、また余裕を持った収納量を確保しておきましょう。
「手の届く場所にパイプや棚をつけて、自分で片付けができるよう習慣づけることも大切ですね」。
しまうのは靴だけじゃない~玄関収納のコツ
「靴以外に、傘、ベビーカー、スポーツ用品など、多くのものがあふれがちな玄関。最近は、下駄箱ではなく、土間続きのシューズクロークを設けるケースが増えています」と三枝さん。土間収納であれば、濡れた傘や土の付いたスポーツ用品も気にせず置くことができます。「家族構成や、アウトドア系の趣味をもっているかなどで、必要な広さは異なります。また、降雪地帯では雪かき用の道具を置くスペースが必要になるなど、地域による違いもありますね。土間収納にどのようなものを置けると便利か、いまの暮らしを振り返って考えてみましょう」。
また、買い物用のエコバックやコートをかけるフックを付けておくと便利。シューズクローク脇に、帰宅してすぐ手を洗えるよう洗面台を設けるのも、おすすめです。
今の布団に合った押入れをつくろう~和室収納のコツ
「押入れは大きいけれど使いにくい、と思っている方は多いと思います。一般的な押入れのサイズは、幅約180cm×奥行き約90cmですが、今と昔では敷布団のサイズが異なるので、微妙なスペースが余ってしまうんですね」。手持ちの布団のサイズを確認し、微妙に余る奥行には棚、幅方向にはパイプを設置するなどして、空間をうまく活用しましょう。また、節句道具や家族の季節外の布団の収納計画も忘れずに。
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最後に、収納のプロである三枝さんからアドバイスを。
「プランをつくる前に、住宅メーカーの担当者に自宅を見てもらいましょう。モノの種類や量を把握して、設計に反映してもらうことが大切です。もし、家の中に入られることに抵抗があるようなら、写真を撮って渡してもいいですね。大切なのは普段通りの室内を見てもらうこと。キレイに片づけてしまっては意味がないですよ(笑)」。
また、収納で困っていることを日頃からメモしておき、依頼時に渡すのもよい方法ということです。家を建てる時は、専門家の力を上手に借りて、スッキリ片付く新居を実現させましょう!
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