子育て/子どもの発達障害・グレーゾーン

ちゃんと知ろう!発達障害の基礎知識

いまやクラスの一割はそうだといわれる発達障害。「うちの子もそうじゃないかしら?」という心配の声も、多く耳にします。でも、発達障害についてきちんと理解してから心配しているママたちは、いったいどのくらいいるのでしょう? よく知らないで疑うことは、みたこともない幽霊の話をすることと、ちょっと似ています。事実を知り、大切なお子さんをしっかり守れる賢いママでいてくださいね。

執筆者:青木 美惠子

発達障害とは、なんだろう

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強すぎる個性か、発達障害か、親としては気になりますよね

そもそも、発達障害とはなんであるか。その定義が文部科学省のHPに記載されています。平成19年4月に学校教育法に「特別支援教育」が位置づけられ、すべての学校において障害ある幼児児童生徒の支援をさらに充実していくことが決められたのを受けてのことです。

これによると、発達障害とは自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害(AD/HD)その他これに類する脳機能障害であって、その症状が通常低年齢において発現するものとして法令で定めるものとされています。実際にわたしが担当した事例では、最年少は3歳の入園を控えた段階で親御さんが心配になり、ご相談にみえるといったケースが多いです。

しかし、このくらいの年齢では検査でも明確にそうであると判ることの方が少なく、ご相談頂いた場合も「あまり心配なようなら一度自治体の療育センターか保健センターへご相談されることをお薦めします」とお伝えするにとどまるケースがほとんどでした。コミュニケーションの問題などもあり、発達障害でそうなのか、それとも単に性格的なものであるのか(成長過程という意味も含めて)明確に判断ができない年齢であると思っていただいた方がいいと思います。

発達障害とは、脳機能の問題によって起こること。「うちの子の発達障害は治るのでしょうか?」といった声も時々聞きますが、脳機能の問題によって起こるので、治るとか治らないといった次元の話では、そもそもがありません。

とはいえ、放置しておけば社会生活に支障をきたすことが懸念されるケースもあります。「発達障害は病気ではない」ということを、しっかりと理解して、早めに自分の子どもはどの段階で対応策を取らなければならないのか考えておきましょう。一つの目安として、「日常生活に困る(支障が出る)」というレベルまで達したときは、一度療育センターへ行かれることをお薦めしたいです。

参考URL 文部科学省HP


また、発達障害には俗に「グレーゾーン」と呼ばれる子どもたちが多く存在します。個性が強すぎるだけか、本当に発達障害かよく判らない子どもたちのことです。特に幼少期の子どもの場合専門家でも見分けられないこともあります。素人判断で「そうに違いない」と決めつけてしまわず、不安があるときはまず自治体の保健センターなどに相談し、きちんと療育相談を受けるようにしましょう。のちのち苦労しないためにも、早めに療育指導を受けることは重要なポイントとなります。

発達障害であったとしたら、何がそんなに問題なのでしょうか?

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