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受験戦線異状あり?最近の塾選び、志望校選びの傾向(2ページ目)

最近の塾選び、志望校選びにはある傾向が見られます。それは、大学進学まで見据えた塾選び・志望校選びです。しかしそれは一方で、学習塾費の家計への負担増と、進路選択の難しさを意味します。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

志望校選びの基準、大学推薦枠があるか

最近の塾、志望校選びは大学受験までを見据えたものに。

最近の塾、志望校選びは大学受験までを見据えたものに。

先ほど、入塾説明会や懇談会で、大学進学が可能な高校を志望校として選ぶ保護者が増えているというお話を紹介しましたが、実は、それは商業高校や工業高校であっても例外ではありません。専門学科の高校に進学しても、なかなか良い就職先が見つからないのではないかという不安から、多くの家庭では、高校受験の時点で大学進学の可能性も視野に入れているのです。

特に、親御さん自身が有名な私立大学を出ている場合は、自分の母校の大学へ多くの合格者を出している高校が、わが子の志望校を選ぶ基準だったりもします。

他にも、最近の傾向として、この高校は大学への推薦枠があるかという質問をよく受けるようになりました。親御さん自身が、いわゆる指定校推薦を利用して大学へ進学した経験をふまえての話でしょう。

こうした理由から、公立の進学校よりも、中堅の私立校(特に系列大学がある)を選ぶという人も中にはいます。このような例を挙げられると、進路選びは難しい時代になっているように思えます。


大学受験、実はそれほど難しくない!

しかし、案ずることはありません。これまで大学進学・大学選びはかなり難しくなったことのように紹介してきましたが、実はそうではありません。大学入試は、指定校推薦の他にも、AO入試、一般公募推薦、センター試験利用入試など、実に多様な入試形態があり、しかも、大学によっては4回5回と複数回の受験が可能です。特に私立大学では、難関と呼ばれる大学でも、推薦入試による合格者の割合が高く、定員の7割を推薦入試でとっている大学もあるほどです。

つまり、大学進学そのものは難しくないのです。以前と比べ、大学に合格する可能性は格段に高くなっています。こうした時代だからこそ、不安に思うのも仕方がないかもしれませんが、大学入試に関しては、それほど心配になる必要はありません。

それよりも大切なことは、まずは高校の志望校選びです。大学合格実績が高い高校は、一見すると良い高校に思えます。しかし、それは裏を返せば、徹底的な詰め込み・受験指導による合格実績なのかもしれません。コツコツ勉強するのが苦手な子には、こうした高校は不向きです。

一方で、生徒の自主性に任せ、生徒の勉強にあまり干渉しない高校は、言われたことはしっかりこなすけど、自分で課題を見つけて進んで勉強することが苦手な子には、これまた不向きなのです。


良い高校=わが子の個性に合った高校

大学進学という先々のことも確かに大切です。しかし、まずは高校受験という目の前のハードルをクリアーすることの方がはるかに大切です。高校の大学合格実績者数だけを見て志望校を選ばず、その高校がどういう特徴を持っていて、子どもをどのように伸ばしていくのかをしっかりと見極めましょう。無理をせず、わが子に合った高校を選ぶことが第一ですね。
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