アンケートから見えてくる「ニッポンのセックス」とは?
2013年1月にコンドーム製造販売の会社「相模ゴム」が、全国47都道府県の20~60代男女を各300人、合計1万4100人の大規模な性の調査を行いました。既婚者の半数以上、55.2%がセックスレスだと思うと回答しています。この結果は私も納得しています。むしろもっと多い割合になると思います。
(参考サイト)
相模ゴム工業株式会社「ニッポンのセックス」
気になったのは「もっとセックスをしたいか?」という設問で男性の75.2%が「したい」と回答しているのに対し、女性は35.8%という結果です。男性の「したい」願望は女性より多く、年を重ねると差が顕著になる。
たしかに熟年男性雑誌では「セックス特集」が大人気です。かと言えば「妻とは無理」「妻だけED」という、妻に性的な魅力を感じない男性の意見もクローズアップされます。妻としたい人、一般的に女性としたい人の合計が8割弱の数値に入るのでしょう。
女性に性欲はないの?
そして「女性に性欲がないというように見える数値」について考えてみました。
男性とはエッチな生き物だからセックス願望を口に出してもよいが、女性がセックス願望を口にするのは恥ずかしいこと、いけないことという風潮があるので、女性は本音を言いにくいかもしれない。若い頃に性的に開発された女性・思い出に残るようなセックス体験をしている女性は年齢を重ねると益々性欲が高くなる(男性ホルモンが増える関係もあり)という持論が私にはあります。それを満たしてくれるパートナーが現時点でいないと封印せざるを得ないし、自己の性の感度が把握できない。
よって、調査結果の「35.8%の女性しかしたいと思っていない」という結果を「本当か?夫以外の自分の好みの異性ならどうなんだ?」「夫が気持ちいいセックスをしてくれないから拒むようになったんではないか?」「痛くてしかたない俺様セックスならしたくないよな」などと深読みしてしまいました。
私はセックスの定義を、挿入をともなわないセクシャルなスキンシップやディープキスも含むとしています。愛情ありきの触れ合いです。性交痛に悩む熟年女性で「挿入がなければ身体と心を愛されたい」と言う人は大勢います。
相模ゴムの調査では、セックスがない理由を聞いていますが、男女共に「相手がその気になってくれない(平均40.3%)」がもっとも多い結果でした。男女問わず相手のせいにする前に、「己の性の意識を変えろ!その気になる努力が足りない!」と叫びたくなりました。寝室事情を軽く考えていると、何年も経ってからの挽回は困難です。
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