手指脱臼とは
指の関節は母指の基節骨と末節骨の間のIP関節、母指以外の指の末節骨と中節骨の間のDIP関節、母指以外の指の中節骨と基節骨の間のPIP関節、5本の指の中手骨と基節骨の間のMP関節があります。その14個の関節のどれかが脱臼した状態が指の脱臼です。一般的には「突き指」と呼ばれています。指の関節。
手指脱臼の症状
脱臼した関節が変形し、関節の可動域が低下します。疼痛、浮腫、出血などを合併します。手指脱臼の原因
転倒、転落、スポーツ、交通事故などで指の関節に直接、関節に外力が働くと発生します。手指脱臼の診断
診断は関節の変形を見れば診断が可能ですが、合併する骨折の有無を確認する必要があります。■単純X線(レントゲン)
脱臼したIP関節
単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明をうけられるので、整形外科では必ず施行します。
手指脱臼の治療法
■徒手整復法(医師が手で脱臼を直す手技)通常は外来で麻酔なしに施行します。
整復後のX線像。IP関節が正しい位置にもどっています。
■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬を使用します。
問題点は長期の服薬で胃腸症状、腎機能低下が高率に発生しますので、急性期を過ぎたら主治医と相談し、減量ないし休薬を考えましょう。
手指脱臼に多い合併症
■指骨骨折脱臼と骨折が合併することがあります。
指のPIP関節の脱臼と中節骨骨折が合併している
多くの脱臼骨折は手術が必要となります。
脱臼した関節を整復後、骨折を鋼線で固定しました。
■靱帯など軟部組織損傷
単純な脱臼でなく、関節の靱帯などの支持組織が損傷を受けた場合、手術を行い損傷を修復する必要があります。正しい診断が重要です。