スイス本社でCEOや日本人デザイナーにインタビュー
スイス郊外の静かで穏やかな土地ある本社
日本でもラインアップを拡充し、ファンを増やしているボダムのデザイン哲学や魅力のルーツを探るべく、IFAの取材と併せて、スイス本社やショップ、ポルトガル工場の取材をしてきました。
新製品の開発から店舗デザインまですべて自社で
1955年から作られているコーヒーメーカーを手にするボダム社のCEO、ヨーガン・ボダム氏
スイス本社で出迎えくださったボダムCEOのヨーガン・ボダム氏は、1944年に父のピーター・ボダム氏が創業したボダム社を1974年に引き継いで、約40年ほど。1967年に父親が亡くなった後、しばらく母親が後を継いでいたそうですが、学業を終えてからまだ若かったヨーガン・ボダム氏が継承。元々は問屋業だったそうですが、フランスのマルティンSA社がスタートしたフレンチプレスコーヒーメーカーの権利を買い取り、自社製品の開発に力を注いで今日に至っています。
カラーごとに分かれたキュートな展示が印象的でした
ヨーガン氏は「デザインのためのデザインでなく、シンプルかつ機能的であることが大切」といいます。創立から一貫してこの理念を貫き、現在もボダムでは新製品の開発からグラフィックデザイン、店舗デザインまですべて自社で行なっているとのこと。自身も新製品の開発やデザイン等に関わることが多いといいます。だからこそ、「ひと目で見てボダムだとわかるデザイン」という点でもぶれないのでしょう。
ボダム・ジャパンの代表が持参した4つのブレンドコーヒーをヨーガン・ボダム氏が自ら淹れ、みんなで試飲する一幕も
「これからもキッチンを中心にフォーカスしていきます。昔はキッチン用品というのは使わない時にはしまっておくものでしたが、暮らしの変化によって壁のない住まいが増え、いつも見えるものに変わりました。つまり調理器具でもキッチン家電でも、美しいことが大切になる。これはボダムとっても、うれしいトレンドです。ずっと出しておいても美しいものを作ってきましたから」とヨーガン氏はいいます。