男の子育児は何が大変なの?
外遊び大好き、男の子らしさも出てくる1歳代
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男の子育児は体力勝負
男の赤ちゃんと女の赤ちゃんを抱き比べてみると、その抱き心地の違いをまざまざと感じる方も多いようです。体格に関わらず、女の子は柔らかく感じるのに対し、男の子は身体全体の張りを感じることが多いものです。とはいえ、赤ちゃん期は、性別による育児の大変さを感じるというよりも、初めての子であるかどうかや、育児環境による影響の方が大きいのではないでしょうか。「男の赤ちゃん誕生!男の子育児は大変って本当?」でもお伝えしたように、男女の脳や性質に生まれながらの違いは存在することが研究されているものの、育ちに関しては環境面が非常に大きいものです。しかし、その育児模様にはやはり大きな違いがあります。1歳代後半になると少しずつ、男の子らしさ、女の子らしさが自然に出てくるようになり、3歳前後から、男女による育児模様の違いが際立ってきます。この時期になると、幼稚園や保育園での生活の中でも、子どもたち自身が、自分は男の子、女の子ということを意識し始め、遊びの傾向もはっきり分かれてきます。お友だちとの絡みの中で、けがをさせてしまったりさせられてしまったりということが多くなり、親がヒヤヒヤする場面が増えてきます。身体を使った遊びが大好きな男の子のエネルギーを発散させるのもひと仕事。幼稚園から帰ってもまだ体力が有り余ってじっとしていられない男の子もたくさんいますね。
幼児期後半や小学生になると、スポーツを始める男の子も多くなり、そうなると、落ちにくい泥汚れの洗濯物の量も半端でなくなってきます。「赤ちゃんが1人増えると洗濯物も増えるなあ」と思っていたころが、何とも穏やかな思い出としてよみがえるかもしれません。小学校高学年以降になると食べる量もグンと増える男子も多く、毎日しっかり食べさせることには、結構なエネルギーを要するようになります。
男の子の育児が大変になってきた背景
こうしたごく限られた点を並べてみても、何だか体力を使いそうな男の子の育児。でもこれは男の子が本来持つ、活発さや伸びやかさから来る一面。それが大変とばかり取られてしまったら、男の子は窮屈さを感じてしまいます。私は、お母さんたちが男の子の育児を大変と感じる背景には、核家族の多さや、女性に育児の負担が大きくかかっている面、子どもを安心して遊ばせる場が少ない都市環境などもあるのではないかと感じています。
男の兄弟がいない環境で育った女性は、男の子を育てることに、新鮮さと不安の両方の気持ちを抱くようです。お母さんは、自分が子どもの頃を思い出しても、それは女の子としての気持ちや行動である部分も多いので、「男の子の気持ちを想像する」面が大きくなります。対してお父さんは、男の子の突拍子もない行動や年齢の割に幼いところなども、同性の傾向としても理解することができ、さほど気にならないようです。しかし、育ちざかりの男の子の相手になってほしい時期は大抵、お父さんも働き盛りで、子どもとの時間を思うように取ることができません。体力あり余る男の子に毎日向き合い、その行動に神経を使うのは、どうしてもお母さん中心です。
また、お母さん自身が仕事をしているか否かだけでは、負担を測ることもできません。仕事と育児のバランスに奮闘するお母さんは、接する時間が限られている分、男の子の行動がより不可解に見えてしまうこともあるでしょう。一方、大人が目を離せない幼児期までは、子どもを安全に思いっきり遊ばせることも養育者の大きな役目であるので、子育て専業のお母さんには、元気な男子に負けない体力作りと維持が求められます!
こうして見てくると、親以外に子どもを見守る大人が複数いる大家族の中で、親戚やご近所との交流も身近にあり、広々とした遊び場に恵まれ、多少の男の子同士のけんかには大人も大らかといった時代、環境では、男の子育児はまた違ったものだったかもしれません。
男の子への性教育
女性である母親が、男の子を育てるうえで1つの大きなハードルに感じるのが、性に関することをどう伝えるか。男性は、「自分たちも勝手にいろいろ覚えた」「教えるようなものではない」と言います。しかし、子どもにとって好ましくない情報もあらゆるところにあふれかえっている環境は、一昔前とは明らかに異なります。異性である母親が、すべてを伝えることはやはり無理ですし、無理してそうする必要もありません。しかし「あなたはとても大切な存在で、自分を大事にしなければならないし、あなたと同じように大切な存在として生まれてきた他人のことも、尊重してほしい」ということをさり気なく色々な形で伝えることは、性に関することの土台になるのではないでしょうか。これは、男の子でも女の子でも一緒ですね。
「第1子・長男」のタイプから見えること
第1子が男の子である私が、たくさんの似たような状況のお母さんたちとお話する中で、「そうそう、うちも!」としばしば盛り上がる点、それが「第1子・長男」のタイプです。「優しい面も多いけれど、内弁慶」「慎重派な割に、意外と自信たっぷり」「欲があまりないけれど、プライドは結構高い」そして「風邪をひきやすい」……。何だかどこか我が子にも当てはまりそうだという方、いませんか!?子どもの数や兄弟構成に関わらず、「男の子か女の子かという先入観を持たずに、子どもを伸ばしていきたい」と考えるお母さん、お父さんはたくさんいると思います。しかしどうしても広い意味での先入観や偏見が入り込んでしまうのが人間であり、また、子どもを取り巻くのは親だけではありません。そんな中で、ただでさえ「初めての子」という最高の期待がかかり、「這えば立て 立てば歩めの親心」の気持ちが何と言っても大きい第1子(2人目以降のお子さんに対しては、多くのお母さん、お父さんは「早く成長してほしくない」と言います)、それも男の子として生まれた子には、その立場でないと分からない気苦労もあり、ちょっぴり複雑な(?)雰囲気を醸し出しているのでしょうか!? 男の子もしくは初めての子というのは、どんなに親がそうしないようにしたとしても、手をかけてしまう存在で、その特徴の傾向が出てきやすいのが、両方の条件を満たした「第1子・長男」なのかもしれません。
男の子を育てる楽しみ
体力的にはエネルギーをたくさん使う男の子の育児ですが、かといって女の子の育児が楽かと言うとそんなことはありません。女の子は成長とともに、同性である母親を冷静に、時に批判的に見つめるようになってきたり、同性ならではの感情的なぶつかりが出てきたりすることも。一方で、「3歩歩けば忘れる!」と言いたくなるような男の子の行動には、過去を振り返らない大らかさもあります。「いつまでも幼くて……」というのは、かわいい時期を長く味わえることでもありますね。男の子と女の子の違いは確かに存在します。活発さに振り回されるイメージが強いのは、やはり男の子の方。しかし、「まったく、やっぱり男子ってこうだよね」と口にするお母さんたちは皆、元気いっぱいです。この言葉は、男子をがっちり受け止め、楽しく子育てしていくキーワードかもしれませんね!
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