売上高に関しては、上場以来増収が続く
シートリップの業績推移を確認してみると、一時減益が続いた頃もありましたが、売上高に関しては、上場以来増収が途切れることなく続いています。2013年も残りの利益に関しては、第3四半期が+22.7%増、第4四半期が+9.1%増と予想されています。ただ、ここ5四半期連続して市場予想を上回って着地しており、もう少し高い増益率になる可能性もあります。同社は新しくモバイルサイトを開発し、iPhone、アンドロイド対応のアプリを無料で提供し、各種の旅行予約が主要な外国語にそれぞれ対応して行えます。また合計250万件もの宿泊客のレビューを見れることも先行者及び規模の優位性があると言えます。
利益率の回復なるかが今後の鍵
同社は旅行代理店となりますので、ホテルやチケットの予約金額に対する一定のコミッション(手数料)収入が売上高となります。市場的には飛行機チケットの販売が6割を占める業界ですが、同社はチケット販売とホテル予約がほぼ同じ割合となっています。差別化の難しい飛行機チケットよりも、ホテル宿泊の方が利益率高いものと思われます。同社の問題は利益率の低下にあります。粗利益率は昔からそれほど変わらないレベルにありますが、営業利益率以下が以前に比べて下がっています。株価は最高値を更新しましたが、利益率は一時30%を超えていたところから15~16%あたりまで下がっており、過去のピークの半分程度です。このことで一時減益が5四半期続くことにもなりました。競合が激化し、開発やプロモーションの費用が多く必要になった模様です。また、従業員数が2009年の1万人から2012年は1万9000人にまで増えましたが、従業員一人あたりの売上高はむしろ2年連続で低下しています。売上高自体は従業員の増加で増えていますが、効率性は低下しているのです。
今後株価を大きく伸ばせるかどうかは、効率性を向上させ、利益率を過去のピークに近づけることができるかどうかにあると思いますが、今のところそれがなるかどうかはまだわからず、今後の推移を見守っていく必要があります。しかし、もしも上手くいけば、中国のプライスラインのようになれると思います。プライスラインの株価も何度も大きな波を作りながら(ITバブル後大きく下がった)、最終的には高値を更新して行ったのです。
参考:グローバルグロースレポート
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