約3年ぶりに高値を奪回したシートリップ
中国のオンライントラベルエージェント最大手のシートリップ(携程旅行、米国ナスダック上場、証券コード:CTRP)は、業界のパイオニア的存在で、現在中国最大のオンライン旅行会社として6千万人の会員を持ちます。ユーザーレビュー250万件を掲載し、中国最大のネットワークとして国内 35,000軒以上のホテル、1600の国内フライトに対応するほか、海外も172カ国9000以上のフライトと20万軒以上のホテルが予約可能です。その他国内ツアーや列車切符の手配も行います。基本的にオンラインを使ったネット旅行代理店ですが、オペレーターが電話及びSKYPEで応対もしてくれます。また中国を旅行する外国人ユーザーの為に、英語でカスタマーサービスも行っています。ただ、同社の上場後、中国のネット業界は大競争時代に入りました。シートリップも競合によるマージンの低下、プロモーション費用の増加によって2011年第4四半期から5四半期連続で減益という状態に陥り、株価は2012年7月までに再び高値から▼77%下がって12.36ドルまで下がりました。
しかし、2013年第2四半期に+84.6%の増益を記録するなど再び成長が戻ってきました。同社の一株利益額は2012年第2四半期から5四半期連続で市場(アナリスト)予想平均を大きく超えて着地し、株価も再び息を吹き返してきました。2013年9月にはほぼ3年ぶりに上場来最高値を更新し、株価は1年間で2.4倍高となっております。株価を俯瞰すると、大きな上下動を見せるものの、長期的には上昇が続いているという様子です。
中国の旅行者数拡大を背景に業績拡大続く
中国のオンライントラベルエージェント最大手のシートリップ
中国のオンライントラベル市場規模(グロスの予約金額)は、2012年に30%増の1709億人民元(2兆7500億円)となりました。そして今後も年率20~30%の成長が続き、2016年には2012年のさらに2.6倍の規模となる予想です。2012年の中国オンライントラベル市場のうち、6割を占めるたのが飛行機チケットの販売でした。ホテルの予約金額は全体の22%で、その他ツアー旅行が12%を占めます。
ただ、前述にもあるとおり、業界は競合が激化しており、今後はグーグルやアマゾンなども参入してくる可能性があります。オンライン・トラベル各社は現在スマホなどに対応する専用のアプリを開発し、洗練されたサービスでモバイルインターネットからの予約獲得に懸命です。
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