保険ビンボーで貯蓄ゼロというケースも
保険の見直し
幸せのためのお金=貯蓄と、リスク対策のためのお金=保険は、バランスが肝心です。貯蓄と保険のバランスが悪いと、かえって家計は弱体化します。
入っておくべき保険は、家族構成や働き方、貯蓄の額などによって変化します。また、家計支出において保険料が占める割合は決して低くはありませんし、いざ入ったら毎月必ず出費が発生するものです。家計管理をするうえで、保険の定期的な見直しは必須なのです。
何のため、誰のための保険なのかを改めて考える
生命保険は、自分に万が一のことがあったとき、残された家族が経済的に困る場合に入るものです。大黒柱として家族を扶養しているなら、生命保険に加入する必要がありますが、シングルや専業主婦なら必ずしも生命保険は必要ありません。医療保険は、病気やケガで入院すると家計が厳しくなる、という場合に備えて入るものです。多くの貯蓄があれば、多くの保障を備える必要はありません。学資保険(こども保険)や個人年金保険も、自分自身で計画的に貯蓄できれば必要のないものです。
一方、自動車保険や火災保険などの損害保険は、保障ではなく補償(損害を受けた分を補う)、そして相手側への賠償責任のためのものです。高額の支払いが必要になる場合があるので、ケチるものではありません。
リスク対策ばかりでなく、幸せになるためにお金を使おう
誰しも、死や病気に対する恐怖や不安は抱いているものです。だからこそ、保険でカバーしようとします。しかし、私達は死ぬためや病気になるために生きてるわけではありません。幸せになるために生きているのです。いつ起きるかわからないリスク対策ばかりにお金を使い、今や未来の幸せをないがしろにしては本末転倒ですよね。すでに述べたように、保険がリスクに対するお金なら、貯蓄は幸せになるためのお金です。貯蓄のメリットはリスク対応にも使える点です。数日間のケガや病気に対するリスクなら貯蓄でも十分対応可能でしょう。
しかし、リスクの中には、貯蓄では対応し切れないものもあります。
- 一家の大黒柱が死亡した場合、その後にかかる生活費 計3000万円
- 火事に遭って家の補修費に1000万円かかる場合
- 自動車事故を起こして1000万円の賠償が必要になった場合
人生におけるリスクを全て保険でカバーしようとすると、保険料負担が重くのしかかり、家計を圧迫します。病気やケガについては、国の公的保障も用意されています。国の公的補償と貯蓄でカバーできないものに保険で備える、というスタンスが重要になります。
保険で幸せを買うには長い年月が必要
また、積立型の終身保険や学資保険、個人年金保険などは、満期やある一定期間までもっておかないと元本割れになる商品が多く、その間はお金を自由に使うことはできません。最低でも10年以上先など、長い年月お金を寝かせておくことになります。もしこれらの保険を検討中なら、何年後に解約返戻金が払込保険料を上回る(=解約しても元本割れしない)のかを確認しておきましょう。保険でお金を貯めると、個人年金保険料控除などを利用できる税金面のメリットがあります。お金を貯めるために保険に頼るのではなく、貯蓄を確保した上で、保険はプラスアルファとして活用する、という考え方が賢明です。
【関連記事】
これでゼッタイ貯まる!7つの仕組み
消費税アップに負けないための節税方法7つ
人生の豊かさは「自己責任」で手に入れる