マンガ・コミック/口コミでおすすめの海外マンガ

まさに青春!ダニエル・クロウズ「ゴーストワールド」

アメリカの都市で、高校卒業後、特にやることもなく退屈な時間を過ごすイーニドとレベッカの物語。この時期特有の根拠のない自信と、すぐに粉々になってしまうような繊細さや不安のコントラストが秀逸で、明るくないのにリアルでどこかみずみずしくさえある日々は、まさに青春時代です。

執筆者:原 貴子

思春期の繊細さや不安のコントラストが秀逸

■作品名
ゴーストワールド

■作者名
ダニエル・クロウズ

■出版社
PRESSPOP INC

おすすめの理由
アメリカの都市で、高校卒業後、特にやることもなく退屈な時間を過ごすイーニドとレベッカの物語。この年代特有の、目に入るものを片っ端から批判していくシニカルな会話、枯渇することのない悪ふざけのアイデア、それでも悩んでいる人生のことなど。明るくないのにリアルでどこかみずみずしくさえある日々は、まさに青春時代。また、まとまりのない(おそらくまとめようとしていない)エピソードが、逆に青春ってこういうものだよな、と思わされるのです。

シニカルで極端な性格のイーニドに引っ張られながら、いつもいたずらにつき合うレベッカ。このコンビが繰り出す、ちょっと陰険ないたずらの数々がとにかく笑えます。出会い系の記事を出した男性を呼び出してその様子を同じレストランで見ていたり、2人の共通の友人ジョシュに用があるときもないときも、姿を目にすれば卑猥な言葉をかけたり、それにジョシュがすっかり慣れきってたり。また、人に心ないあだなをつけたり、空想で他人を決めつけ評価したり、と、悪ふざけが止まらない。

そんなふてぶてしい言動の一方で、出店したガレージセールそっちのけでとこかに行ってしまったのに、子どものころ繰り返し聞いた思い出のつまったレコードをやっぱり手放したくなくてダッシュでガレージセールに戻ったり。作中にちりばめられた、この時期特有の根拠のない自信と、すぐに粉々になってしまうような繊細さや不安のコントラストが秀逸。

豪華なキャストで映画化も!

映画化もされており、こちらもおすすめです。話の筋はマンガとは異なりますが、脚本を原作者のダニエル・クロウズが手がけているだけあってやっぱり面白い。主演のソーラ・バーチもいいですし、レベッカは若い頃のスカーレット・ヨハンソン!ちょっとぽっちゃりした故ブラッド・レンフロがジョシュにハマっています。スティーブ・ブシェミも、いつもとは違った役柄の脇役を演じていたりと、キャストの豪華さにも注目です。


【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気のマンガ・コミックをチェック!楽天市場で人気のマンガ・コミックをチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます