飛び出すような緻密な絵が魅力的な魔法少女の物語
■作品名乱と灰色の世界
■作者名
入江亜季
■連載雑誌
ハルタ
(2008年よりFellows!で連載開始、2013年よりハルタに連載中)
■おすすめの理由
小学4年生の主人公、乱はスニーカーをはくと大人に変身する魔法少女。願いは家族四人で仲良く暮らすことですが、一家が持つ「魔法の力」が足かせとなり、そんな小さな望みもなかなか叶わず、大小のトラブルを引き起こしてしまう……そんなマンガです。
主人公の設定は『ミンキーモモ』や『クリィミーマミ』など80年代アニメを髣髴させますが、内容としては人間世界と異世界との共存、葛藤をコミカルに描いている点で『うる星やつら』や『うしおととら』みたいな感じがします。
ドタバタあり、シリアスありのストーリー展開も面白いですが、やっぱり絵が魅力的です。
細かい書き込みとラフなコマがリズムよく並べられ、乱の持つ不思議なキラキラ魔力は画面から飛び出さんほどの躍動感で描かれます。キャラクター全体的に絵が止め絵じゃなくて前へ前へ出てくる感じのすごく立体的な画面構成で、読み手が物語に入り込みやすく描かれているように思います。カバーのカラー絵もこれでもか!!というくらいの書き込み、緻密さで、このイラストに引き寄せられてジャケ買いしてしまう人も多そうです。(私もその一人ですが)
表紙の世界観が「気に入った!」と思われたら、中身も絶対ハズレなしなので迷わず手に取ってみてください。