動物好きにはたまらない!獣医学部を舞台にした作品
■作品名動物のお医者さん
■作者
佐々木倫子
■出版
白泉社
■巻数
単行本:全12巻、文庫版:全8巻、愛蔵版:全6巻
■おすすめ理由
北海道大学獣医学部を舞台にした本作品。
シベリアン・ハスキーブームのきっかけとなったことでも有名ですね。
■あらすじ
大学受験を控えた西根公輝(ハムテル)は、H大学の構内で出会った謎の教授(漆原)から
般若のような顔をした子犬を押し付けられ、「将来は獣医になる」と予言される。
春が来て、友人の二階堂とともに無事にH大学への入学を果たしたハムテルは、
漆原教授をはじめ、個性的な人々および動物たちと大学生活を送ることになるが……。
何があっても表情を変えない主人公のハムテルに対し、脇役たちが超個性的。
アフリカかぶれの漆原教授、ネズミが苦手な二階堂、ちょっとズレた不思議ちゃんの
大学院生・菱沼さん、押しの強いハムテルのおばあさん……。
そして、西根家の凶暴なニワトリ・ヒヨちゃん、おばあさんの飼い猫・ミケ、どんどん増えるスナネズミたち……。
この作品、劇画のタッチは非常に繊細で、いかにも少女漫画風なのですが、なぜかあまり「らしくない」のです。理由はおそらく、少女漫画に不可欠な「LOVE」の要素がまったくないからではないか、と思われます。
人間の男女のLOVEは描かれていなくても、登場する動物たちがとにかく人間くさくてラブリーなので、じゅうぶんです。もう、動物好きにはたまりません。
ネコのミケなんて、吹き出しではなぜか関西弁ですし。
巻末の、作者の佐々木倫子先生の日常を描いたオマケ漫画もなかなか楽しいです。
最終巻の8巻では、無事に卒業を迎えたハムテルと二階堂が共同で動物病院を開業することに。
いちおうハッピーエンドで物語は終わっています。
動物病院を開いたハムテルたちがその後どうなったのか……
非常に気になるところですが、続編は描かれていないのが残念です。