多くの人に愛された、歴史に残る高校野球漫画
■作品名ドカベン
■作者名
水島新司
■巻数
単行本:全48巻、文庫本:全31巻
■連載雑誌
週刊少年チャンピオン
■おすすめの理由
「野球狂の詩」や「あぶさん」などの作品で知られ、
日本の野球漫画の第一人者と称される、水島新司が描く高校野球漫画。
「ドカベン」とは主人公の山田太郎のニックネームです。
明訓高校の4番バッターで「気は優しくて力持ち」を絵に描いたような人物です。
この山田太郎を中心に、岩鬼正美、殿馬一人、里中智、微笑三太郎の5人をまとめて「明訓五人衆」とされます。
この5人は、いずれも個性豊かなキャラクターの持ち主で、それが「ドカベン」の一番の魅力といっても差し支えないでしょう。
さらにいえば、5人の中で一番普通の人物に描かれているのが主人公の山田太郎で、
それ以外の脇役が、それぞれに主役を張ってもおかしくないほど際立っているのです。
普通は、脇役が目立ちすぎると、まとまりのない作品になってしまいがちですが、この「ドカベン」に関しては、山田太郎を中心に絶妙なバランスを保ち、見事なまでに調和がとれています。
さすがにチームプレイを重視する野球漫画だけに、このあたりの演出は、作者の思い描く通りなのかもしれません。
特に個性が際立つのが岩鬼正美。
スタンドプレイに徹する、存在感抜群のキャラクターに描かれていますが、かえってそれが山田太郎を際立たせる役目を果たしています。
ともあれ、高校野球を描いた作品としては、最も多くの人に愛された漫画として、歴史に残る名作だと思います。