「医療マンガ」のジャンルを築き上げた手塚治虫の名作
■作品名BLACK JACK(ブラック・ジャック)(1973~1983)
■作者名
手塚治虫
■巻数
新書版:全25巻、文庫版:全17巻、大全集版:全15巻、など
■おすすめ理由
正義の味方が多い手塚治虫作品の中で、あえてアウトサイダーに生きる男を
子供達にわかるように描いたというこの「BLACK JACK」。
手塚治虫最後のヒット作と言われ、現代では当たり前のように描かれている「医療マンガ」のジャンルを築き上げた、金字塔とも言われています。
■あらすじ
無免許なのに、天才的な腕を持つ外科医「BLACK JACK」こと、「間 黒男(はさまくろお)」。
幼い頃爆発事故で大けがをし、手術の結果九死に一生を得る。
全身にある傷や、恐怖のあまり半分白髪になってしまった頭髪、貼りかえた皮膚など、特徴的な身体を持ちながらも整った顔立ちで、均整の取れた体格を持ち、黒のマントやコートなどを好む。
そんな彼は外科だけではなく、心臓外科や脳外科もこなし、内科、眼科、薬学、獣医学などにも精通している。
彼の腕を見込んで、貧乏な庶民から金持ちまで、他の病院では不可能な病気の治療を頼み込むが、彼は高額の治療費や手術費を請求する……。
一般的なドクターの概念とはほど遠いBLACK JACKは、無愛想だし怖い感じなのですが、
毎回色々な病気やケガを治すその天才的な腕にはワクワクします。
当時は問題とされる病気などを描いたことも多く、お蔵入りとなった話もあるそうです。
シリアスでクールで、ある時は残酷、ある時は優しく、そしてある時は……と表情を変える
BLACK JACKが魅力的です。
ブラック・ジャックが造り出したピノコという少女の存在が、ストーリーにアクセントを加えていて、
二人のやりとりも面白く、微笑ましく感じます。
1話完結になっているので、テンポよく読み勧められますし、どこから読み返しても面白い作品です。