学校ごと荒廃してしまった未来へタイムスリップ!

■作品名
漂流教室 (1972~1972)

■作者名
楳図かずお

■巻数
単行本:全11巻、文庫版:全6巻

■おすすめの理由

無人島に漂流してしまった少年達の冒険記を描いたジューヌ・ヴェルヌ著の「十五少年漂流記」を、「学校ぐるみでやる」という構想を元に描かれた「漂流教室」。

学校ごと荒廃してしまった未来へタイムスリップしてしまう……というスケールの大きな作品です。

■あらすじ
ある日、授業中に突然激しい地震に襲われた大和小学校。

揺れは収まったものの、外に出て見ると学校の敷地以外は見渡す限り、荒れ果てた砂漠だけの大地が広がっていた。

皆パニックになり、教師達は発狂。

徐々にこの絶望的な地が、滅んでしまった未来の地球だと知った子供達は、なんとか生き延びようと小学校を拠点として「国」作りを始めるが……。


初めてこの作品を読んだ時は、学校ごと未来にタイムスリップするという大胆な発想に夢中になりました。

排気ガスやゴミの出しまくり、海を汚し、頻繁に大きな地震が起り、火山活動が活発化し……
そんな結果、迎えた絶望的な人類の未来。

リアリティがありすぎて、当時「これはありうることかも……」とゾッとしたのを覚えています。

「いったいだれがこんな世界にしちまったのだっ!?」

「こんな世界にしてしまったのは、ぼくたちの親やぼくたちの仲間さ!!」

子供達の会話が、今、様々な問題を抱え込んでいる私達大人に突き刺さります。

この漂流教室の描いた未来が、着実に現実化している……と話題にもなっているほど、
内容が酷似しているので、一見の価値ありです。

「未来にまかれた種」としてタイムスリップした子供達が、滅亡したこの地球を救う決意をする……ここに救いがあります。

でも、本来なら守らねばいけない子供達に、大人の尻拭いをさせるまで放置してはいけない……
改めて読み返すと、そういう思いが強くなります。

ホラー作家で、面白いキャラクターで有名な楳図かずおさんですが、
70年代にこの作品を描いていたことを考えると、やはり天才なのだなあとしみじみ感じ入ります。

冒険、パニック、スリル……そして考えさせられる部分ありで、
夢中になって全巻読み切ってしまうと思います。




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