注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

木の魅力を読み解く(3ページ目)

住まいについてさまざまなエッセイを書いてきた幸田文さんの言葉から、木の魅力について読み解いていきましょう。木と接するとなぜ親しみや安らぎを感じるのか、なぜ木はあたたかい雰囲気をかもし出すのか・・・あらためて基本となる木について理解を深めてみましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド


細胞構造が上品な光沢を生みだす

木材には細胞構造に基づく微小な凸凹があります。それにより光が散乱することで「つるつる」も「ざらざら」もしていない中庸の光沢感が生まれます。細胞の凸凹は光の正反射を少なくしているため、まぶしさも軽減しているのです。石こうや大理石はすべての光をほぼ平均的に反射しますが、木材は紫外線の反射が少なく目に与える刺激が小さいことが特徴です。赤外線の反射は大きく、これが木材の「あたたかさ」を感じさせる要素にもなっています。


反射率を内装に活かす

一般に内装材の選択は個人の嗜好や好み、あるいは美的感覚で選びます。もうひとつの選び方として反射率を意識した選び方も取り入れてみてはいかかでしょうか。
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反射率の高い材料を使うと、都会的でシャープな感じになり、リラックスとはいかなくなります。反射率の低い材料には心を和ませてくれます。バランスを考えて内装計画をすることが大切です。


ガイド佐川よりメッセージ

一般に健康住宅といって自然素材や木の無垢材を選択します。しかし、そこにはその材料との付き合い方を大切にしなければなりません。そしてその材料からたくさんのメッセージをひろいだすことで、住まいに対する深まりが出てきて生き方にも影響を及ぼすのです。

幸田文さんはこんなことも書いています。
「棟梁はいう。大工は木を切り削り、刃物を研ぎ研いで仕事をする。いってみれば木も刃物も砥石もどれもみな減らし痩せさせながら自分もまた老いて一生を終わります。だからせめてその日その日、木にも刃物にも石にも後悔の少ない付き合いをしていきたいと思います」と。
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