切って並べてスイッチON! 待ってるだけの楽々調理
素材の味をそのまま楽しむことが目的なので、準備は食材を食べられる状態にしてカットするのみ。一部、硬い食材(そら豆やさつまいもなど)は茹でておく必要がありますが、今回セレクトした食材では、その手間は不要でした(オレンジは熱湯にさっとくぐらせましたが)。ちなみに、1枚のトレイの上には同じ種類の食材を置かねばならないという決まりはありません。写真左奥のトレイのように、トマト、しいたけ、人参を一緒に並べて置くのもOK。食材によって厚みは異なりますが、それぞれ5~12mm程度に切ることをメーカーは推奨しています。切った果物と野菜をトレイに並べれば、準備完了。トレイを重ねて、タイマーをセット。乾燥させる目安時間は、りんご・キウイが約8~16時間、バナナが約8~12時間、オレンジが約8~18時間、トマトが約7~14時間、人参・しいたけが約4~10時間と取扱説明書に明記されていたので、時間がかかりそうなものを下の方にセットしました。長時間乾燥させる場合は、7~8時間で一度運転を止め、食材を冷ましてから再び乾燥するようにという指示も書かれていたので、とりあえずタイマーは8Hに設定。
運転が始まると「ブォーー」という温風が吹き出る音が聞こえてきました。掃除機やドライヤーの「弱」運転程度の音なので、生活空間の中で使用する分には気にならないでしょう。近くでテレビを観ていても、運転音が妨げになることもありませんでした。ただし、温風が出てくるので室内の温度上昇は避けられません。換気ができる部屋で使う方が良いと思います。
結局、トータルで12時間乾燥させてみましたが、市販のもののようにカリカリのチップス風にはなりませんでした。しいたけと人参はカリカリになったので、水分が多く含まれる食材をチップス状態にするにはもっと長い乾燥時間が必要なようです。
とは言え、カリカリでないから美味しくないというワケではありません。この程度の乾燥具合…つまり半生状態のものには市販のドライフードでは味わえない美味しさがあります。干し芋に近い食感で、しっかりとした歯応えがありつつ、しっとり&モチモチ。噛むほどに甘みが増していくんです。どちらかというと、ガイドは市販のカリカリしたものより、今回作ったものの方が好みですね。もし、市販のもののようなカリカリ状態にしたいならば、食材は薄めにカットし、12時間より長く乾燥させれば良いでしょう。
作るのが楽しい! 作ったあとのアレンジも楽しい!
そもそも、なぜドライフードは何が良いのでしょうか。メーカーの発表によると、食材の水分のみが蒸発することで、素材そのものの旨みや甘みが凝縮されるそうです。たしかに、甘味料ゼロでも甘さは十分。噛むほどに旨みが増すので、ゆっくり食べることができ、少量で満足感も得られるのでダイエット中の間食にもピッタリだと感じました。フレッシュな果物や野菜を使用するので、乾燥時間は最低でも10時間は必要。決して、素早くできる調理とは言えませんが、準備は切って並べるだけですし、後片付けも乾燥しているものを剥がしたトレイを洗浄するのみなので、それほど手間には感じません。「長時間稼動させるので、電気代が心配!」という方も、安心してください。消費電力は250Wですので、12時間使用しても電気代は66円程度(1kWh=22円で算出)。家計に負荷をかけることはありません。むしろ、冷蔵庫の中にある余ってしまった食材を有効利用できるので、お得かもしれませんよ。
ちなみに、乾燥させた果物や野菜はそのまま食べるだけではありません。半生状態に仕上げたトマトの場合、パスタやピザにトッピング。カリカリのしいたけは、市販の干ししいたけと同じように、煮物やお吸い物に使えば風味が強く香る一品に変身。ドライフルーツはヨーグルトに入れたり、お菓子作りに使うのも良いですね。このように乾燥させたものを料理に利用すれば、さらなる美味しさや楽しさが得られます。無添加で健康的な食を求めるならば、持っておきたい一品ですね。