個性的なステーキを提供する店
シトロンブレ・近江牛プレミアム
個人的に黒毛和牛はステーキで食べるよりも焼肉で食べる方が好きですが、理由は主に二つあります。一つは、一般的にステーキハウスは高級店が多く上等な肉を扱う店が多いため、つまりは脂の刺しもしっかり入っているから食後感が重くなり易いということ。それに比べ、同じ上等な黒毛和牛の肉でも焼肉は薄切りで、更に網の上で焼くことで余分な脂が適度に落ちるから食べやすくなり、それゆえ焼肉は黒毛和牛に適した食べ方の一つだとも思います。また、ステーキと違って焼肉は色々な部位を楽しめるメリットもあり、特にここ数年の焼肉業界では部位ごとの味わいの違い、特徴をいかに活かした提供をするか、ということに研究熱心なお店が増えています。
そして、黒毛和牛のステーキを避けるもう一つの理由が、ステーキハウスは焼肉店に比べサービスや店内の設えにコストをかけていることが多い為、どうしても価格帯が高額になり、日常的に通うことができないというお財布事情から。ただそんな中でも、記念日でなくとも利用できる価格帯で、すっかり魅了された美味しいステーキを提供するお気に入りの店が私の中にも実はいくつかあり、一つが六本木にある「祥瑞」です。自然派ワインのセレクトのセンスも良く肉料理のみならず総体的に好きなお店ですが、何と言っても特徴的なのがフランスの「ル・セヴェロ」仕込みのステーキ。ひまわり油で揚げ焼きのようにカリカリに表面を焼き上げるのが特徴で、初めて食べたときは衝撃を受けたものでした。そして、肉を食べている充実感もスゴい。肉は黒毛和牛以外にも赤うしや短角牛など赤身の選択肢があるのも飽きを感じさせず楽しめます。ところが同店で活躍していた茂野シェフが「祥瑞」を去り、京都に自身の店である「ル・キャトーズィエム」をオープンさせたのが2013年2月。既に人気店となっています。
注目の新店「シトロン ブレ」
一方で、11月1日にもう一つ「ル・セヴェロ」仕込みのステーキを提供する店が同じく京都にオープンしました。店の名は「シトロン ブレ」。
シトロン ブレ
シェフを務める長野侯三氏は「ル・セヴェロ」の姉妹店でシェフを務めながら、本店「ル・セヴェロ」で修業し、数年前、地元である京都に帰郷。同店では国内産の少し珍しいビールやワインも扱い、お酒のラインナップも楽しめます。そして牛肉も十勝ハーブの熟成肉、近江牛、漢方和牛など様々で、こちらはラードで肉を焼きあげているそう。
この日の肉からチョイス1(手前は漢方和牛)
この日の肉からチョイス2(近江牛プレミアム)
この日の黒板メニューから一部をご紹介。
<クラフトビール>
・茨城 木内酒造
常陸野ネストホワイトエール 800円
・島根ビール
ビアへるん ヴァイツェン 900円
・新潟麦酒
エスプレッソビール 750円
<ワイン>
・京都・丹波ワイン
丹波シャルドネ 750円
・滋賀・琵琶湖ワイナリー
浅柄野レッドミルレンニューム 600円
・岩手・くずまきワイン
澤登ブラックペガール 600円
<ステーキ>
・漢方和牛 100g 1300円
・十勝ハーブ牛 100g 1500円
・近江牛プレミアム 100g 2,000円
シトロンブレ・漢方和牛
会話していると長野シェフの肉の知識もさすがに豊富なので、肉の種類に関してもさらに研究し、ブラッシュアップされていく事でしょう。今後の活躍が楽しみな一店です。
■Citron Ble シトロン ブレ
・住所:京都市中京区麩屋町通四条上ル桝屋町514
・TEL:075-708-6664
・営業時間:
ランチ 12:00~15:30 ※ランチ営業開始は11/7~
ディナー 17:30~23:30
・定休日:月曜日(祝日の場合は火曜日)
・地図:Yahoo!地図情報