しかし、それほど有効性が高いとされるED治療薬を服用しても、期待した変化が現れないばかりか、まったく効かなかったと訴える患者さんも少なくありません。
そこで今回は、特にED治療薬の効果が高いとされる心因性のED患者に的を絞って、効かない理由の傾向と対策を探ります。
薬が力を発揮するのに不可欠な“性的刺激”
処方してもらった医師の指導に従って正しく飲んでいるのに効かない場合は、その使い方を間違っていることが考えられます。例えば、
- 性的刺激が足りないか不十分だった
- 食事や飲酒の影響を受けた
- 服用する時間が適切でなかった
- 薬の副作用が響いた
最も多いのは「ED治療薬の効き方に対する勘違い」です。ED治療薬はただ飲みさえすれば自然に勃起をもたらしてくれるというものではありません。あくまでも勃起を助け、持続させる薬なので、性的な刺激がないとその力を十分に発揮することができないのです。
性的刺激はED治療薬の効き目を促す、いわば起爆剤です。このときの興奮は性的な空想や視覚によるものばかりでなく、陰茎に触れるなどの直接的な刺激を加えると一層良い結果をもたらします。
服用時は飲酒を控えたほうがベター
また、服用時の体調も関係します。ED治療薬を服用しても満足のいく結果が得られなかった場合には、意識的に空腹時に服用するようにすると改善される場合があります。食前に服用するほうが調子がいいという患者さんもいます。
ED治療薬は、少量であれば飲酒後に服用しても特に問題はありません。しかし、過度の飲酒によって脳の性欲中枢が麻痺し、ED症状を招くこともあります。実際に、飲酒時は効きにくいと訴える患者さんも珍しくありません。気になるようであれば、ED治療薬の服用時は飲酒を控えたほうがよいでしょう。
自分に最も合った服用時間を見つける
ED治療薬に限らず、薬の効き方には個人差があります。用法・用量を守っても、すべての人にまったく同じように効くわけではありません。いつ服用するかというタイミングも効き目に関係します。一つの目安として、性行為の1時間前に服用すると自然の効果が得られるとされています。人によっては、効果が現れるまでに2時間以上かかる場合があります。服用直後や2時間以上では効果が現れないという患者さんもいます。聞き始める時間の開きは個人差によります。
ED治療薬は自然に近い勃起をもたらし、その持続によって満たされた性行為を行うためのものですから、何度か使って、最も自分に合った服用時間を見つけるようするとよいでしょう。
効果が得られないときは医師に相談を
ED治療薬の副作用はほてり、頭痛、動悸など、重篤というほどではありません。しかし、それらが気になって性的興奮を妨げる場合もあります。何度か使ってみて、合わないと思ったら、用量を減らしたり、別の種類を試したりする方法もあります。ただし、効かなかったからといって、服用する量を自己判断で勝手に増やすのは禁物です。処方された以上の量を飲んでも大きな効果を得られるわけではありません。それどころか、新たな副作用を引き起こす場合もあります。
せっかくED治療薬を服用しても期待した効果が得られなかったときは、処方してもらった医師に速やかに相談するようにしてください。
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