歯・口の病気/審美歯科

最新のラミネートべニア治療

歯の色をキレイにしたり、歯並びを整えることまで出来る最新のラミネートベニア治療。具体的な治療の方法やポイント、ご希望に合わせてどんな治療を選択すれば良いのかなどを解説します。

石井 府中

執筆者:石井 府中

歯科医 / 審美歯科ガイド

最新のラミネートベニア治療には、大きく分けて「シンプル・ラミネートベニア」と「フルデザイン・ラミネートベニア」があります。本記事では、それぞれの特徴やラミネートベニア治療のポイントなどをご紹介します。

そもそも、ラミネートベニア治療とは

ラミネートベニア治療とは、歯の表面を薄く削り、セラミック製のシェル(薄片)をセットする治療法です。ホワイトニングなどよりも歯を白くすることが出来、またセラミッククラウン治療よりも歯を削る量が少ないので、多くの方々に人気のある審美歯科治療です。一時期流行を見せた「人工八重歯」も、ラミネートベニア治療で再現することが出来ます。

では、詳しいラミネートベニアの分類や適したケースをご紹介します。


シンプル・ラミネートベニア

シンプル・ラミネートベニア治療とは、基本的に歯並びに問題がなく、歯の色を白く明るく仕上げるラミネートベニア治療です。もともと歯の色が濃いめの方や、歯に縞模様があるテトラサイクリン歯の方、以前に詰め物の治療を行い、詰め物の変色が気になる方などに適しています。

現在の歯の形はあまり変えずに、エナメル質を表面から0.7mmの厚さで均一に削り、そこに0.7mmの厚さのラミネートべニアをセットします。ラミネートベニア自体はご希望の明るさになるものを選んで頂きますが、セットする時の接着剤にも色の種類があります。ラミネートベニアをセットする前に「トライイン」と言って、硬化しないシミュレーション用の接着剤を使って、仕上がりの色の具合を見ることが出来ます。この段階で2~3種類の色のトライインを行い、もっともキレイに見える接着剤の色を選択し、最終セットを行います。

またテトラサイクリン歯治療にラミネートベニアを選択された場合には、通常の色の接着剤ではなく、内面の色彩を遮断する働きのある特殊な接着剤を使います。そうすることで、より明るく透明感のある白さを表現することができます。
シンプルデザイン・ラミネートベニアの治療例

シンプルデザイン・ラミネートベニアの治療例



フルデザイン・ラミネートベニア

フルデザイン・ラミネートベニア治療とは、上記の状態に加えて、歯並びも整えたいと希望される方に適しています。歯並びのガタガタがあったり、すきっ歯だったり歯が小さかったり大きかったりする場合に、色を白くしつつ、同時に歯並びも治すことが可能です。

先ほど、ラミネートベニアをセットする場合にはエナメル質の表面を均一に0.7mm削るとご説明しましたが、歯並びを治す場合には、歯の位置によって削る量を調整します。具体的には、歯並びが出っ張ってしまっている部分は歯を削る量が0.7mmより大きくなり、逆に引っ込んでいる部分は歯を削る量は0.7mmより少なくなります。またラミネートベニア自体の厚さ自体も変化させ、歯が出っ張っている部分は薄く仕上げ、引っ込んでいる部分は厚く仕上げます。この方法により、0.7mmの範囲内で歯並びを治すことが出来ます。
フルデザイン・ラミネートベニアの治療例

フルデザイン・ラミネートベニアの治療例



歯並びの乱れが0.7mmの範囲に収まらない場合には、ラミネートベニアではなく、オールセラミッククラウンによる治療をお勧めしています。(参考記事:装置を着けずに行う歯並び治療

次のページでは、ラミネートベニア治療のポイントを簡単にご紹介します。

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