不動産・建設に資金が集中
五輪が日本を活性化!
実際に、9月9日月曜日の日経平均終値は1万4205円23銭と先週金曜日の終値を+344円42銭も上回り、まさに五輪決定を好感した相場といえましょう。
それではどこに資金が集中しているかといえば、やはり「不動産」と「建設」です。例えば、東急建設<1720>はストップ高の320円(+80円、+33.33%)をつけるなど、東京五輪までにおけるインフラ受注などを期待された不動産・建設業種が賑わっています。
業種別に見ても、不動産業が+5.29%、建設業が+4.49%と大幅高。実際にインフラ整備が行われていくのはこれからのため、思惑が先行していますが、日本(特に東京)の土地価格にも影響し、地価が上がっていくことも想定されます。
含み資産株、REITにも注目!
土地価格に注目するのであれば、東京都内に土地など資産を多く保有する「含み資産株」にも注目してみましょう。業種別でも9日の上昇率第3位につけている「倉庫・運輸関連業」は今後中長期的にみてもさらに株価があがる可能性は十分あると思います。また、東京ドーム<9681>や東京都競馬<9672>、セイコーHD<8050>などは、都心に資産を保有する銘柄の代表格といえ、特にセイコーHDの場合、銀座和光を所有し、地価が上がった場合には大きく恩恵を受ける可能性があります。
さらに、J-REITにも注目してみましょう。特に、東京都心部に主に投資を行っている銘柄が恩恵を受けやすいといえます。森ヒルズリート投資法人<3234>や日本ビルファンド投資法人<8951>などが手堅いといえるのではないでしょうか。また、今後日本に来る観光客が増加する、消費増加・所得増加で宿泊客も増えると見込むのであれば、ジャパン・ホテル・リート投資法人<8985>や星野リゾート・リート投資法人<3287>なども面白いかもしれません。
その他、東日本旅客鉄道<9020>や東海旅客鉄道<9022>といったJRや私鉄なども資産株として想定されます。
余韻は他の要因が強くなれば薄まる可能性あり
さて、こうして考えると、東京五輪効果は様々な企業に波及すると想定されますが、注意していただきたいのは、必ずしもこの株高がずっと続くわけではない点です。少なくとも今週中は余韻に浸ることはできると思います。そのため短期決戦で株価の売買を行うにはよいかもしれません。ただし、その後は世界情勢などに株価は影響されるように戻っていくことになるでしょう。
2020年近くまで保有するという発想であれば、今のうちに株式を買うのも一理ありとはいえますが、そうでなければ、シリア問題、10月には米国の債務問題へと視点は移っていくと思いますので、多少株価も上下することが予想されます。
下げるタイミングがあれば拾っていきましょう。それが五輪関連銘柄でも賢い買い方です。