ダンス/ストリートダンスの基本テクニック

ストリートダンスの基本:ダウンのリズム(2ページ目)

ストリートダンスの基本の中から、「ダウンのリズム」についてご紹介します。

三宅 正

執筆者:三宅 正

ストリートダンスガイド


ダウンのリズムにおける注意点

ここからは、自身の経験も踏まえ、つい間違えがちなポイントについてご説明します。

注意点(1):上体は脱力する

ダウンのリズムでは、膝の屈伸に伴って頭~胸~腰も同時に動きます。この際、その“形”を作ろうとするあまり、体の個々のパーツを個別に意識して力んでしまうと動きに柔軟さがなくなってしまいます。意識をするのはあくまで膝で、上体は脱力。それを意識していれば、自然と膝の動きに連動して上体が動いてくるはずです。

注意点(2):真っ直ぐ上下のみでリズムを取る(猫背にならない)

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図5:猫背の姿勢(失敗例)

例えば長時間のデスクワークをされている社会人の方で、図5のように猫背の姿勢が自然な立ち方になってしまっているという場合をお見受けすることがあります。ところがそうした姿勢からそのまま膝を曲げると、図6のように重心がずれて腰だけが前に出てしまい、上下のリズム取りではなく、前後のリズム取りになってしまいます。






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図6:間違ったダウンの姿勢(失敗例)

こうした時には、初めのうちは意識して真っ直ぐな直立の姿勢を作って頂き、そこから脱力してダウンのリズムを練習して頂くと、結果として姿勢もよくなり、また胸や腰を柔らかく動かすことで、肩や背中の凝りの解消に繋がったりと一石二鳥の結果を得ることができます。







注意点(3)楽器を習っていたことがある方は特に注意

楽器を演奏する場合を思い出してみて下さい。楽器の場合は、打楽器・弦楽器・管楽器を問わず、正しいタイミングで音を出すために、そのタイミングよりも先行して体が動いたり、息を吸ったりします。

ところがストリートダンスの場合はどうでしょうか。今回のダウンのリズムを例にとると、楽器のように「オンビート」で目標点=体が下がっている状態を作ろうとすると(=音楽の場合は音が鳴っている状態が目標点)、実際には「オンビート」の音が鳴る前に体を沈め始めなければなりません。

ここでは「オンビート」の音を聞いてから体が沈み始める」というのが正解で、前述のように「オンビート」のタイミングを目標点としてしまうと、「早取り※」という間違ったリズムの取り方になってしまいます。
※音よりも体の動きが先行してしまう状態

楽器を演奏される方にとっては初めは違和感があるかもしれませんが、ストリートダンスは大抵の場合、「音(音楽)を聞いてから体を瞬時に反応させて動かす」事が多く、そうすることで音との一体感を表現・体感することができます。この違いを上手くつかんで、音楽の素養を踊りに活かして頂けたらと思います。

最後に

今回はストリートダンスの基本の中から、「ダウンのリズム」についてご説明しました。特に後半部分では、自分ではなかなか意識できていない、無意識の姿勢やクセを理解するという点についても触れさせて頂きました。

ストリートダンスは自分の体を使って表現するもの。こうした練習を行いながら、ご自身の体についても意識を高めて頂くと、運動効果だけでなく、姿勢改善や体のリラクゼーションにもつながってきます。ぜひ、そうした視点もふまえながら練習を行ってみて下さい。

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