4兆8000億円足らない!
地震はいつ来るかわかりません。2年前に1兆2000万円を支払ったということは、貯めていたお金はどうなったのでしょう。地震保険ができた1966年からお金を貯め始め、東日本大震災前は2兆4000億円でしたが、1兆2000億円払ったので、残りは1兆2000億円となりました。6兆2000億円のうち、政府と民間で貯める目標が決められています。政府が5兆9595億円、民間が2405億円です。今貯まっているお金は、政府が9623億円、民間が4215億円で、合計1兆3838億円。およそ4兆8000億円積立て不足になっています。お金が貯まる前に、大きな地震が起こったらどうなるのでしょう?
足らない部分は、借金をしてお金を用意します。政府の積立金は「特別会計」というお財布に入っていますが、社会保障や教育などのお金が入っている「一般会計」というお財布から借りてきます。(平成25年度、一般会計予算は92兆円です)この借入れは、新たに入ってくる地震保険料で返していきます。
関東大震災は200年~400年が周期といわれています。30年以内の発生確率は1%未満。予想支払い保険金は5兆5000万円。関東大震災の次に大きな規模は、東海・東南海・南海の3連動地震で、予想支払保険金は 4兆2000億円、30 年以内の発生確率は 8.8%です。
過去の大きな地震の周期から見た発生確率は低いのですが、油断はできません。首都直下地震、南海トラフの地震が30年以内に起こる可能性は70%です。地震保険は積立金を増やしながら、次に来る大きな地震に備えます。毎年の保険料から積み立てられるお金は、1000億円です。今後も注意して、積立金の推移と積立不足分をどうするのか、注目したいです。
本当に地震が来たら?
地震保険の加入は、阪神淡路大震災以降増えています。火災保険に地震保険をつけている人は56.5%、半数以上です。ところが、全世帯の中で地震保険の加入率は、首都直下地震が起こる可能性があるといわれている地域で、32.6%、南海トラフの地震が起こる可能性があるといわれている地域で29.4%です。可能性が高くても、およそ7割の人は備えがありません。地震保険以外に、住宅が壊れた時お金が受け取れる制度は、都道府県の被災者生活再建支援制度があります。支援金は、全壊の場合で最高で300万円です。これだけでは、当然お家は建てられませんから、やはり自分で備えることが大切です。