新婚当初は同じ方向を見ていたはずなのに……。夫婦の相談は年々、増えています。
そんなときは、離婚の経験者やプロの離婚カウンセラーに相談することで、活路を見いだしたり気持ちが楽になったりすることもあります。
また、「自分と同じように、離婚で悩んでいる人たちもいるんだ」と知ることで、心細さが和らぐこともしばしば。そこで今回は、実際に私の元に寄せられた離婚に関するお悩みをいくつかご紹介します。今後、どうしていくか迷ったとき、参考にしてみてはいかがでしょう。
離婚後の生活を考えなかったFさん(34歳・子ども2人)のケース
■Fさんのお悩み9年前に同じ年の夫と職場結婚。2人の子どもを授かり、しばらくは平和な暮らしをしていました。下の子どもに手がかからなくなったのをきっかけに、私も派遣社員として働きはじめ、少しでも家計を支えようと頑張ってきたつもりです。
生活費は毎月、夫から「これでやりくりしてくれ」と手渡しをされていたのですが、今月はそれまでに比べると半分の金額しかもらえなかったので驚き、理由をたずねました。すると、「会社の業績が不振だから仕方ない」「残業代もつかなくなった」とのこと。一度は納得しかけたのですが、「さすがに半額まで減給されることはないのでは?」と思い直し、夫の会社に電話をして確認をしました。
すると、「半年前に退職されていますが……」という人事課からの思いがけない返事に愕然としました。家族に黙って会社を辞めていたなんて……。
その後、何度も話し合いをしたところ、夫には根本的な労働意欲がないことが判明。最後は「オレが主夫をやるから、お前が働けばいいだろ!」と逆ギレ。結局、「こんな男とは別れるしかない」と思い、一方的に離婚を切り出して成立。現在は子どもと3人で新しい生活をスタートしたところです。
ところが、実際に離婚をしてみると、想像以上に大変なことがわかりました。派遣社員の収入だけでは家計はまったくの火の車。転職しようにも、子どもの保育所や自分の年齢制限などがあって思うようにいきません。今後、どうすればいいのか正直なところ、途方に暮れる毎日です。
離婚カウンセラーとしてのアドバイス
感情で離婚を決めないこと。これは、どのような場合でもあてはまる離婚の鉄則です。というのも、そのときは離婚を決めたことに対してスッキリした気分になっても、いざ離婚をしてみるとFさんのようにいきなり生活に困るケースは少なくないからです。夫との離婚の話し合いを進めるなかで、少なくともFさんとお子さんの生活が軌道に乗るまでは、夫の申し出のとおり専業主夫として家事をまかせる時間が必要でした。Fさんの経済的自立をたしかなものにした後からでも離婚は遅くないのです。この場合の最大の犠牲者は、Fさんではなく子どもであることを忘れてはいけません。
今からできることとして、まずは早急に就職問題をクリアにすること。そのためには、自分の両親や姉弟の協力をあおぐことも視野に入れてみましょう。シングルマザーにとって、仕事と住居、協力者の確保は欠かせません。冷静に、計画的に物事を進めていきましょう。
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