どんなところに注意と工夫が必要?
◎外装材において1. 窯業系建材が住宅の外壁材で一番多く使われていますが、目地部分・窓まわり・出隅・入隅などに劣化が生じやすいので一年に一回は目視で確かめましょう。
2. 金属系建材では水は金属の酸化すなわち腐食の原因になります。したがって1階と2階に違った材料を使う場合は材料同士の接触面からの水の侵入防ぐことがポイントです。
3. 無機系建材でつくられた材料に水が入ると膨張と収縮が起こり、いつかは表面からポロポロ崩れていきます。水が入らないよう納まりをしっかりとすることです。
ガイド佐川のワンポイントアドバイス
文化財のような建築物は古びて色あせたとしてもそれを汚れているとはあまり感じません。我々が汚れを汚れと感じるのはどこかに汚れが集積して大きな模様になる時です。設計段階から美しく老化させ経年美のある建築をつくるにはどうしたらよいかを考えておきましょう。例えば外装材に木を使うのであればメンテナンス方法とその費用、塗り壁であればトップコートや光触媒などはどうするかなどです。住まいはライフスタイルに変化がおき、少々機能が悪くなったとしても建物の表情や形に愛着をもっていれば手入れをして長く使おうという意識も生まれていきます。今後サスティナビリティ(持続可能性)という観点からも短命に終わっていいものではありません。いい建物つくってその町にずっと住み続けたいという想いを残していくことが大切です。
古い個人住宅を食堂にリフォームした建物。窓に飾られたグリーンが住む人の心を表すかのようで粋である